末梢動脈疾患とは

2018年1月8日(月)の「治る!最前線」は、悪化すると足の切断に至ることもある血管の病気「末梢動脈疾患」を取り上げていました。
末梢動脈疾患とは、主に足の血管が動脈硬化により詰まってしまう病気。病状が進行すると血液が流れなくなり、足が壊死し切断に至ることもあるとのこと。ざっくり言ってしまうと、動脈硬化がもたらす深刻な病です。

患者数は100万人以上と言われ、50代以降の男性に多く発症。ズバリkojiたちの年代です。怖いのは、末梢動脈疾患に気づいた時にはすでに脳や心臓でも脳や心臓でも動脈硬化が起きているいる可能性があるということです。

横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学 田村功一 主任教授
「他の動脈硬化性疾患、脳梗塞とか心筋梗塞、狭心症などの可能性に留意する必要があります。」

日本血管外科学会のサイトがためになりました。

足の動脈が狭くなったり詰まったりして血液の流れが悪くなり、足にさまざまな症状を引き起こす病気です。以前は、「閉塞性動脈硬化症」あるいは「下肢慢性動脈閉塞症」と呼ばれていましたが、現在は、その原因に関係なく、国際的に「末梢動脈疾患」に統一されています。喫煙と関係の深い「バージャー(ビュルガー)病」も末梢動脈疾患に含まれます。

動脈硬化について

「末梢動脈疾患」の主な原因となっている動脈硬化について、番組では次のように説明していました。
血液中の、いわいるLDL(悪玉)コレステロールが血管の中にたまることで血管が硬く狭くなり、やがて血液が流れなくなるというものだ。
動脈硬化の主な原因は糖尿病や高血圧などの生活習慣病。喫煙も原因の一つと考えられています。

更にkojiなりに調べてみたら、医療機器メーカーのオムロンのサイトの説明がいいなと思ったのでその一部を載せておきます。

動脈硬化というと、すぐにコレステロールのことを想起する人が多いのではないでしょうか。血液中のコレステロールが多い脂質異常症は、たしかに動脈硬化の大きな要因です。 でも最近の研究から、コレステロールの中でも、とくに超悪玉といわれる小型LDLコレステロールが多いと、動脈硬化を起こしやすいことがわかってきています。 その反対に、善玉(HDL)コレステロールが多いと、動脈硬化のリスクは低くなります。つまりコレステロールはそのタイプによって、動脈硬化への影響が異なるのです。

末梢動脈疾患・ステントグラフトによる最新治療

取材先は福岡にある小倉記念病院(北九州市・小倉北区)。

この病院に入院中の内田さんは、1ヶ月ほど前から足の痛みが続いているそうです。
内田「150メートルぐらい歩いたら、立ちどまって歩けないようになって。今もっとひどいんですよ。100メートルぐらいで足引きずって帰るような。」

医師「右は大体30センチぐらい詰まってましたね。」

内田さんの検査画像を見ると、片足の血管が映っていません。血液が流れていないのです。内田さんは末梢動脈疾患と診断されました。そして、最新の治療を受けることになったのです。

ステントグラフトの治療の実際

治療は局所麻酔を使って行なわれます。。

医師「「ステントグラフト」と言って、通常のステントに人工血管がついているタイプになります。」

ステントグラフト言われる最新の医療器具は特殊な樹脂と金属で作られた人工の血管です。直径は7mm。最初は細い状態ですが、カバーを引き抜くと、血管の中で広がる仕組みになっています。これを詰まった血管の中で広げることで、血流を回復させるということ。

ステントグラフトを患者の足のつけ根から入れていき、足の動脈のふさがったところまで通していきます。そして、カバーを引き抜くと、血管の中でステントグラフトが広がっていくのがわかります。

治療は無事に終了しました。この治療にかかる時間は1時間半ほど。

内田さんの足のレントゲン画像が紹介されました。治療前は映っていなかった血管に、血液が流れ、はっきり映っています。

治療費は保険が適用され、3割負担の場合およそ10万円。

小倉記念病院・循環器内科部長 曽我芳光医師
「外科手術しかなかった、こういった複雑病変に対して、カテーテルでのアプローチが可能になった。ステントグラフトを使うメリットっていうのは大きいのかなと考えています。」

LDLアフェレシス療法

取材先は横浜市立大学附属病院(横浜市金沢区)。
カテーテルでの治療ができない重症患者のための新たな治療も登場しています。

神奈川県に住む杉浦さんは、半年ほど前、末梢動脈疾患と診断されました。杉浦さんの検査画像に白く映っているのは石灰化された動脈。末梢動脈疾患の重症化によって、動脈にカルシウムがたまり硬くなった状態です。これではカテーテルが通らず、治療はできません。

杉浦「とにかく痛いというよりしょうがないですね。痛くなかったら普通の生活がしたい。」

そこで、杉浦さんは最新の治療を受けることになりました。

LDLアフェレシス療法の実際

杉浦さんの治療が始まりました。腕の静脈から血液を抜き、特別な機械を通して体内へ戻します。LDLアフェレシス療法と呼ばれる最新の治療です。
その仕組みは、、、
まず患者の腕から血液を抜き、機械で血しょうと呼ばれる成分を分離。この中に、悪玉コレステロールが含まれています。その血しょうを特殊なビーズが入った器具に通すと悪玉コレステロールが吸着されます。そうして、悪玉コレステロールを取り除いた血液を体に戻すと、血流が改善する、、、。

治療は週に1、2回。合計10回行います。
この日、およそ3時間で治療が終わりました。

説明のため、別の患者の足の画像が紹介されていました。治療前は皮膚の一部が壊死し骨が見えていたが、治療後は血流が戻り、皮膚で覆われるまで改善しています。

治療費は保険が適用されず、この病院では1回およそ1万3000円(自己負担)で行っています。

横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学 田村功一主任教授
「末梢動脈疾患の重症患者が増えていますので、そういった患者さんで一般的な治療が有効でないという方に、この治療を行うことによって、長期的な症状改善に役に立つのではないかと、私どもは考えております。」

kojiは思った

カテーテルの話を聞くと、本当に血管はホースのようにつながっているんだなとフシギナ気持ちになります。これは、身体の内部をいろいろな方法で確認できるようになったおかげだろうなと思います。開けてみなければわからないという事が多かった時代とは、医療行為が激変したと思います。これによって、患者の負担が減るのはとてもいいことだと思います。「ブラックジャック」は大好きなマンガですが、今となっては書き換えなければならないところが多少はあるんだろうなという事も考えてしまいました。