先日、知人から「丸紅新電力に変えたら、月の電気代が1000円くらい安くなった」と聞き、一気に電力会社選びモードに入りました。電力自由化という言葉は何度も聞きましたが、「どうせそれほど変わらないんだろう」と高をくくっていました。月1000円なら、やる価値が大きい! やっとスイッチが入ったという感じです。

エクセルで電気料金を計算

以前から、気料金の計算は複雑そうだなと思っていました。単価×数量という単純な計算ではないんだなと漠然ととらえていました。今回は面倒がらずに北海道電力の電気料金計算のやり方をサイトで確認して、エクサセルでなぞってみました。ほぼ、請求書通りの数字が出てうれしかったです。
そのうえで、「丸紅新電力」(「楽天のまちでんき」は丸紅新電力を使っているので楽天ポイント以外はまるっきり同じです。)と「Looop(るーぷ)でんき」と比較してみました。

関数を組み合わせて、一つの表で金額を計算、比較することは可能だと思いますが、下のようにA・B・Cの3つに分けて行けば、ほぼ四則演算だけで処理できてしまいます。「if」や「Max(数式,0)」等をほとんど使わなくてもいいので、エクセルが得意でない人もすぐに作れると思います。

下のデーター、家にあった北電の「電力ご使用のおしらせ」(検針票)をもとにして作りました。2017年2月と4月分が見つかりませんでした。間が抜けていて9か月分だということに、ご注意ください。(1年=12か月分ではありません!)


 

【表A の数式のポイント】 
「使用電力」
検針票からその月の使用電力がわかります。「合計」欄に入力。北電をはじめ多くの電力会社は三段階の料金体系を取っています。それぞれの区分の使用量をはっきりさせることで、料金が計算できるようになります。
・第一段階C列=120kwhを下回ることは我が家ではないので、全部に「120」を手打ちしました。
・第二段階(121~280)、D列がポイントです。たまに280kwhを下回ることがあるので、ここは数式で処理することにしました。このワークシートでは数少ないifを使ったところです。
D4のセルに入れた式は ” =IF(B4>280,160,B4-120) ” この意味・・・B4(合計)が280より大きい時は160(第二段階の最大値)を表示して、そうでないときはB4から120(第一段階)を引いた数を表示しなさい。
・第三段階E列=” =B4-C4-D4 ” ・・・「合計」から第一、第二段階を引いたのが第三段階。

【表B のポイント】 
北電との単価の差がわかるような表になっています。料金計算の時にも使います。楽天は基本料金・第一段階までが北電と同じなので、少量しか使わない人にとっては、安くはならないことがわかります。Looopでんきは基本料金0が目立ちます。

【表C の数式のポイント】 
「電気料金の計算方法」
電気料金 = 基本料金 + 第一段階料金(単価×使用量 以下同じ) + 第二段階料金 + 第三段階料金 + 再エネ金額 + 燃料調整費

北電の「計算値」(C24)は次のような式になっています ”=ROUNDDOWN($D$17+C4*$D$18+D4*$D$19+E4*$D$20,0)+G4+I4″
「ROUNDDOWN(数式,0)」は小数点以下が0になるように切り捨てる、という関数です。(0を2にすれば、小数点以下が2になります)
※消費税などの計算でも、小数点以下を切り捨てることが多いと聞いたので、切り捨てにしました。実際の金額と計算値で一部1円の誤差が出ているところがありますが、小数点以下の処理の仕方の違いによるものだと思います。詳細はわかりませんでした。悪しからずご了承ください。

「楽天いえでんき」の金額(D24) は、 ” =ROUND($E$17+C4*$E$18+D4*$E$19+E4*$E$20,0)+G4+I4 ”
「Looopでんき」の金額(F24)は、 ” =ROUNDDOWN(B4*29,0)+G4+I4 ”
 Looopは段階がないので、使用量(合計)に単価の29円を掛けてると、電力使用分の金額が出ます。

【参考】・・・北電の単価表

使用電力以外の費用負担について

下記二つは、北電エリアの会社の場合、北電と全く同じになるようにしています。ですから、電力会社の料金の差だけを比較するなら、除いて考えても差し支えありません。kojiは実際に支払う金額を出した上で比較した方が、リアルだなと思うので、差だけではなくて、全部を計算したうえで比較しています。

「再エネ」
「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の事。どこの会社から電力を買っても等しく払わなければなりません。単価が決められていて、それに使用電力(合計)を掛けて計算されます。

「燃調」
「燃料費調整制度」の事。北電HPによると「この制度は、為替レートの変動などによる燃料価格の変化をできるだけ速やかに反映させるため、全てのお客さまを対象として一定の基準により電気料金を調整するものです。」
要は、燃料費についての調整。ざっくりと言ってしまえば、思っていたよりも燃料費がかかった場合はその分を上乗せして集めるし、思っていたよりも安く済んだ場合は、その分を値引きしますということだと思います。最近はマイナス(値引きの働き)が多いです。単価は毎月、変動します。
「燃料調整費」は「燃料費調整単価」に使用電力(合計)をかけて計算されます。
※北電以外の会社(北電エリア)も、「北電の燃料調整単価」を使っています。北電との料金の比較をしやすくするためだそうです。

北電から乗り換えるならどの会社か?

私が参考にした比較サイトは、→ 新電力比較サイト

kojiが乗り換えにあたって条件にしたこと

・解約時の違約金発生なし・・・初めての乗り換えなので、様子が不明。不都合があったら躊躇なくもとに戻せるように、という考え。
・支払い料金優先・・・家電量販店のコマーシャルではありませんが、後から使うポイントなどではなくて、支払い金額そのものが安くなることが優先。
・できれば、実績のあるところ
この条件で考えてみたら、丸紅新電力はやっぱりいい候補でした。調べてみたら楽天は、丸紅新電力から電力を調達していて料金体系も同じでした。ポイントの分だけお得。
しかし、一番目を引いたのは基本料0円で、段階なしの「Looop(るーぷ)でんき」でした。ただ、料金の計算の仕方が違うので、単純な比較ができませんでした。
サイトのシミュレーションだけでは、安心できなかったので、エクセルで自分の家用に表を作ってみようと思ったのでした。

楽天とLooopのどちらにするか

表を作っていくうちにまずわかったのは、楽天にしろLooopにしろ、北電よりも高くなることはない、ということでした。
上にも書きましたが、楽天は基本料金・第一段階までが北電と同じで、第二段階以上は北電よりも単価が安いので、たくさん使えば使うほど、北電との差は大きくなっていきます。仮に使用電力が少なくても、北電よりも高くなることはありません。

またLooopは単価は29円と、北電の第一段階よりは高いですが、その差も基本料金1000円で帳消しになります。(第一段階120kwh、差5.46円=655円)第二段階以上なら、単価もループの方が安くなるので、全体として安くなるに決まっています。使用量が増えればやはり、その差は大きくなります。

そこで、今度は楽天とLooopの比較です。エクセルの表C(H列 「Looop-楽天」)で一目瞭然。我が家の場合、常にLooopの方が安くなりました。9か月の合計で1798円安くなる計算です。

ここで、最後に気になったのは、楽天のキャンペーン。今なら(キャンペーン期間:2017年6月1日(木)10:00~2017年9月1日(金)9:59)、楽天でんき申し込みで2100ポイントもらえるのです。
しかし、最初の原則に立ち戻ることにしました。ポイントよりも現金値引き。2100円なら、一年ほどで取り戻せるし、少し長い目で考えれば1回きりのポイントよりもお得!

(楽天でんきは、10kwhごとに1ポイント付与してくれるそうです。これには心が動きませんでした。多くて450kwh/月の我が家では、その時でも45円分ほど。とうていLooopとの差は埋まりません。丸紅新電力を選ぶなら、内容は同じですからわずかでもポイントが付く、楽天にしたらいいと思います。)

「Looop(るーぷ)でんき」に申し込みしました

自分の家の実態を盛り込んで自分で作った表を使って、納得の乗り換え選択が出来ました。

申し込みの前に!Looop(るーぷ)でんきのデメリット

・一番の問題点は、支払いがクレジットカードだけだという点。
・検針票が来なくなる(ネット上のマイページで、自分で確認)
※ほかの新電力でもネット環境が必須なところが多いと思われます。

デメリットとは言えないけれど

・スマートメーターが設置されます。(取替工事あり)
一般送配電事業者(北電)が取替工事を実施。費用負担はありません。
これは、2020年代の早いうちに全世帯に設置しようと国がやっていることのようです。この機会に工事しておくのは無駄ではないと思います。
・保守、サポートについてちょっと気になりました。停電などの対応は北電だそうです。電気の質が悪くなるようなこともないようです。
 Looopでんき「よくある質問」

まとめ

決めるまでは数日かかりましたが、乗り換えに動き出してよかったです。
実際の申し込みは、あっという間でした。下の2つがあれば5分ほどで終わります。
・現在ご利用の電気会社の検針票
・支払いのクレジットカード番号

嬉しかったのは、北電への連絡が不要ということです。Looopでんきがいろいろとやってくれます。これはどこの新電力も同じようですね。仮にLooopからほかの小売電力業者に変えるとしても、Looopには連絡がいらないそうです。下記のような記載がありました。
「※他の小売電気事業者への切り替えに伴う解約については、当社へご連絡いただく必要はありません。切り替え先の小売電気事業者へお申し込みください。」

電気料金が安くなるのは、妻も楽しみにしています。計算上は多い月で1000円程度、ならすと700円くらい安くなるかなと思いますが、実際を見てみないと納得できないなという感じです。

Looopでんきのサイトによると「スマートメーターの設置有無にかかわらず、供給開始は検針日切り替えとなります。」とのことでした。次回検針日は8月中旬ですから、そこから我が家もLooopでんきになります。

電気料金の計算は段階制になっているので計算しにくいですが、エクセルで一つ一つ区別して表を作っていけば、無理なく計算が出ると思います。エクセル以外でも、無料で使えるgoogleの表計算ソフトがあります。それでも同じことが出来ます。納得のために、ご自宅のデータで表を作ってみてください。