2018年2月6日(火)の「たけしの家庭の医学」では中性脂肪について取り上げていました。中性脂肪は血管にダメージを与え、筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めるとされています。
寒い1月から3月は心筋梗塞や脳梗塞の発症件数が最も多い時期なので、この機会に中性脂肪対策を学んでおこうという趣旨でした。

登場した名医は、東邦大学医学部 内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌学分野教授 弘世貴久先生。
弘世先生は、糖尿病患者に対するインスリン治療を専門とする一方、脂質異常患者の治療を延べ10万人以上行ってきました。中性脂肪を減らす薬の効果を検証し、その新たな作用を見出すなど、中性脂肪について30年以上研究しています。まさに中性脂肪の権威。

名医によると、
・中性脂肪は厄介。コレステロールに比べると、治療がうまくいかない患者さんがいる。
・薬だけではなかなか治療がうまくいかない。薬だけではコントロールが難しい。
・中性脂肪は体脂肪の大もと。中性脂肪が増えすぎると体脂肪として蓄積する。

中性脂肪と糖質(ナレーションによる説明)

中性脂肪が増えてしまうのは、炭水化物などの糖質の摂りすぎが主な原因。
糖質は本来生きていくのに欠かせない大事なエネルギー源だが、加齢による筋肉量の低下などに伴いエネルギーとして消費できなくなった余りが、中性脂肪として血液中にあふれてしまう。
その結果、体中の脂肪が増えてしまったり、肝臓にこびりつけば脂肪肝に、心臓に入り込めば心筋梗塞のリスクになってしまう。
そして、中性脂肪の最大の難点は、身体にたまりやすく一度たまると減らしにくいこと!
※街頭インタビューでも、中性脂肪が高くて気にしている人が多かったです。「なかなか下がらない」とこぼしている人もいました。。

「イヌリン」をたくさん含む食材を食べることで中性脂肪を減らす

番組では、結論に至るまでにいろいろな事例紹介や説明がありましたが、先に結論的なことをまとめておきます。
・キクイモに含まれる水溶性食物繊維の一種イヌリンという成分は、糖の吸収を抑えて、中性脂肪を低下させるといわれている。
・食事でイヌリンをしっかり摂取すると、中性脂肪が下がると推測される。(事例では1日10グラム以上で結果が出ていた)
・キクイモ(100グラム中、イヌリン18グラム)以外でイヌリンを多く含む食材は次の4つ。いずれも100グラム中のイヌリンの量。
 
 4位=アスパラ・・・イヌリン2.5グラム
 3位=タマネギ・・・イヌリン4.3グラム
 2位=ゴボウ ・・・イヌリン5.4グラム
 1位=ニンニク・・・イヌリン12.5グラム キクイモに迫る豊富なイヌリン

価格が手ごろな10種類の野菜の食材の成分検査による。

イヌリンの分析について

今回、食材の分析にあたったのは、西九州大学健康栄養学部教授の安田みどり先生。食品分析のスペシャリスト。
安田先生「イヌリンはすごく分析しにくい成分で、どんな野菜に含まれているのか詳しく調べられた例はないですね。」
イヌリンが多く含まれるのはキクイモ。そのほかにも野菜には多く含まれていると考えられているが、実際には研究中。日本をはじめ世界的にもあまり研究は進んでいないそうです。

野菜が高騰中の折、身近でお手頃な野菜を取り上げて調べてもらうことになりました。10種類を調べるのに、10時間以上かかったそうです。
最もイヌリンが豊富だといわれているキクイモは100グラム当たり18グラム。
イヌリンが全く含まれていなかったのは、トマト・ナス・シシトウ。
ほとんど含まれていないのは、ヤマイモ・カボチャ・レンコン。ここまでの6種類はイヌリン摂取の目的にはそぐわないようです。
上位4つは、上に記した通りでした。

事例紹介、中性脂肪を効率よく減らしている町

徳島県美馬市脇町は中性脂肪を効率よく減らしている町だという事です。
実際に中高年の人たちに協力してもらって調べてみると、基準値150以内に収まっている人が多い。そして、基準値以内の人の共通点は、地元の特産品、キクイモを食べている事でした。
キクイモを食べ始めてから体重が減ったという人が多かったです。キクイモは見た目は生姜に似た作物でした。

弘世先生によると、キクイモには中性脂肪を低下させるといわれている水溶性食物繊維の一種イヌリンという成分が含まれているそうです。

キクイモを乾燥させたキクイモチップを出演者が試食。ゴボウの風味がするという事でした。
キクイモは徳島・熊本・長野から通信販売で取り寄せることが出来るそうです。

イヌリンの働き

弘世先生の説明
・中性脂肪が上がってしまう一番の原因は炭水化物等の糖質の摂りすぎ。糖質を控えめにするように指導するが、なかなか実行できない。
・糖質が中性脂肪を増やしてしまうカギを握っているのが、小腸。小腸の中では糖が吸収され、血液中の糖が増えていきます。血液中の糖が増えると中性脂肪が増えます。
※血糖値が上がると中性脂肪が増えることの説明はありませんでした。

イヌリンの働きの説明
イヌリンが体の中に入る → 水分と混ざりゼリー状に → 中性脂肪を減らす。
・水分と混ざったイヌリンがカプセルのように糖を包み込んでしまう。
・イヌリンが包み込んだことによって、多くの糖が小腸で吸収されずに大腸へ進む。
・大腸へ進まずに小腸に残っている糖もあるが、それはゆっくりと吸収される。ゆっくり吸収されると中性脂肪になりにくい。
・小腸で吸収されず大腸へ進んだイヌリンは、腸内細菌のエサに。これは善玉菌のエサになって、悪玉菌のエサにはならないという性質がある。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌がつくる物質は肝臓に働いて、中性脂肪が作られるのを抑えると考えられている。

検証、イヌリン豊富な食事を5日間続ける!

モニターとして村上さん(47歳)に協力してもらいました。なかなか中性脂肪が減らないそうです。
昨年11月の中性脂肪の値は148.基準値ギリギリ。野菜を多くとるように言われているが、野菜の値段が高いのでついつい少なくなってしまうそうです。
そして、大のお酒好き。飲んだ後のシメのラーメンも欠かせないそうです。ナレーションには中性脂肪の申し子と呼ばれていました。
現在の値は152。

検証のやり方

・お酒や炭水化物は控えない。
・お手頃イヌリン野菜を摂るだけ
・イヌリンの摂取量は過去の研究をもとに1日10グラムに設定。
・5日間実施。

検証1日目

〇昼食
アスパラガスを添えたハヤシライス。
タマネギたっぷりのオニオンスープ
この二品でイヌリンは6.8グラム。目標の三分の二をクリアです。炭水化物を控えることなく、イヌリンを摂取できています。
〇夕食
もつ鍋。ランキング第2位のゴボウが入っています。
タマネギを半玉分使ったチヂミ。
タマネギとアスパラを使ったマリネも。
※この日は昼食と夕食でイヌリン量は11.9グラム。目標量を軽くオーバーしました。

検証2日目

〇夕食
村上さんの大好物ポークソテー。
付け合わせに、ランキング1位のニンニクを使いました。

検証結果

その後もランキング上位の野菜を多めにして、1日10グラム以上のイヌリンを取り続けました。
最終日に再度血液検査。検証前は152でした。
中性脂肪の数値は139。見事に下がりました。

kojiは思った

私kojiは11月から糖質を制限する食事をするようになって、大変体調がいいです。血液検査で確かめたわけではありませんが、数値も良くなっているのではないかと推測しています。
今回の検証は大変興味深いものでした。イヌリンは糖の吸収を抑えてくれるという事ですから、中性脂肪に限らず糖尿病やその他の面でもいい効果を与えてくれる成分だと思います。大変興味深いです。

タマネギは、野菜の中では糖質が多めなので、糖質制限をする人はどちらかというと避けるようにしていると思います。ただ、イヌリンのことを考えると、積極的に摂っても大丈夫なのかなと思いました。この辺は、自分なりによく調べて、調整していきたいと思いました。

また、イヌリンの粉末もアマゾンにありました。

今回の番組では、食材の工夫で中性脂肪対策をしようという事でしたが、「イヌリンの粉末で済むならこれは楽だな」と正直思いました。kojiはちょっと試してみようかなと思い、(どれほど糖の吸収を抑えてくれるのか、数字的なことはわかりませんが)注文してしまいました。今の興味を持たれた方は、自己責任でお願いします。

最近、富士フィルムの「メタバリア」というサプリメントの試供品も取り寄せてみました。「糖の吸収を抑えてくれる」というものです。
(糖質が多くなりそうな食事の前に飲もうかなと思っていたのですが、今のところ1回しか飲んでいません。効果はわかりません。)
有効成分は「サラシノール」。糖の吸収は何割か抑えられるという事だったと思います。劇的に(例えば半分以下に)減るという事はなさそうです。つまり、このサプリさえ飲んでいれば、どんな食べ方をしても大丈夫という事にはならないという事。その通りだろうと思います。

頑張らない!サラシア配合のメタバリアS★お試し500円+税★

やはり、押さえられるものなら糖質の摂取は抑えて、そのうえでイヌリンとか「メタバリア」とか「カロリミット」とかを使っていけば、いいのではないかと思います。

トクホである「からだすこやか茶W」のコマーシャルを見ましたが、ちょっと違和感がありました。

からだすこやか茶Wは脂肪の吸収や血糖値の上昇を抑えるという事でしたが、いくら食べても大丈夫ということではないですよね。そう受け取れるような映像は、望ましくないと思います。
コカ・コーラ「からだすこやか茶W」公式ページ

売れりゃいいということなのかな、と感じました。言われていることですが、広告を”うのみ”にしないようにしていきたいなと思います。