2018年5月2日(水)のWBSでは、治る!最前線が放送されました。日本人の死亡原因の第2位は心臓病ですが、その中で近年増加しているのが心臓弁膜症です。 この心臓弁膜症の最新治療についての紹介です。

心臓弁膜症とは

心臓には血液の逆流を防ぐための弁があります。心臓弁膜症とは、この弁の機能が低下する病気。 弁の機能が低下すると、血液が十分に流れなくなり、さらに、血液が逆流し、全身に行き渡らなくなります。

心臓病は日本人の死亡原因の第2。中でも心臓弁膜症の患者数は200万人から300万にいるといわれています。

主な原因は、コレステロールの高い食事、老化による心臓機能の低下、さらに、虫歯などの菌による感染も原因と考えられているとのこと。

動機や息切れなどの症状が起こることもありますが、症状が出ないまま重症化することもあります。

東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター長 渡辺 弘之医師

症状がないまま進行するのが心臓弁膜症の一番怖いところ。

心臓弁膜症は、気づかないうちに進行する恐ろしい病です。 早期発見、適切な治療が大切です。

ある患者さんの例。 2年ほど前から心臓に違和感を感じていて、「ドキドキが始まって、胸がキュンとしたり、、、。これはいけない。何もできないからね。」という事で、検査を受けました。心臓の弁がずれて、閉じていないということが判明。心臓弁膜症でした。その後治療を受け、症状が改善したそうです。

クリップで逆流を改善(心臓弁膜症の最新治療)

取材先は福岡県にある小倉記念病院。(北九州市小倉北区)

小倉記念病院 循環器内科部長 白石伸一医師

「(高齢者など)今まで手術できなかった患者さんに、少ない侵襲(負担)で、心臓止めずに、短い入院期間で治療できる。それが一番のメリットじゃないかなと思っています。」

【心臓弁膜症を患う80代の小松さん】

通常は胸にメスを入れ、悪くなった弁を取り替える手術を行いますが、小松さんは高齢のため手術を受けることができません。 そこで、体の負担の少ない最新の治療を受けることになりました。

●治療の実際

医師「クリップデリバリーシステムの準備をします」

医師が準備したのはクリップ デリバリーシステムと呼ばれる最新の治療器。先端には1.5cm の小さなクリップがついています。 この器具は手元で操作して、クリップを開閉させる仕組み。 患者の足のつけ根の静脈から心臓まで通していきます。

いよいよクリップの出番。 医師がモニターを見ながらクリップを操作していきます。 治療するのは僧帽弁と呼ばれる心臓の弁。 足の静脈から通した医療器具を心臓の中まで通していきます。 そして閉じなくなった弁をこのクリップで挟む。

クリップで挟んで弁と弁の隙間を狭めることで、血液の逆流が改善されるとのこと。クリップは体内に残したままにしておきます。手もとのダイヤルを回し、クリップで弁を挟みます。治療は通常2時間ほどで終了するとのこと。

この治療は4月から保険が適用され、治療費は3割負担でおよそ80万円。(保険適用・3割負担の場合)※高額療養費制度により異なります。

治療前と後の心臓の働きを表す動画が紹介されていました。 治療前逆流していた血液が、治療後はほとんどないのがわかります。

超音波で正確に診断

症状が現れにくい心臓弁膜症を正確に診断する新しい検査が登場しています。

【40代の森田さん】

体調不良のため検査を受けたところ、心臓弁膜症が見つかりました。

森田「すごくショックでした。結構泣きました。その日は。なんで自分がという思いがあったので、、、。」

詳しい心臓の状態を調べるため、検査を受けることになりました。

検査に使うのは経食道心エコーと呼ばれる器具。 胃カメラのような形をしているが、先端には超音波の検査装置がついています。

●検査の実際

胃カメラと同じように口の中に入れていきます。

これまでは体の外から超音波をあてていました。その方式では心臓との間に皮膚や筋肉、骨などがあるため、鮮明な画像を得ることが難しかったそうです。 新しい検査は食道の中から超音波を当てるため、邪魔をするものがなく、鮮明な画像を映し出すことが可能となりました。先端の検査装置が、心臓の辺りまで到達。 すると、心臓の弁の様子が映し出されました。

検査は10分ほどで終了。 検査費 4500円(保険適用・3割負担の場合)

すぐに検査結果が伝えられました。 検査では、心臓にある弁の一つ(僧帽弁)を超音波で撮影しました。弁を真上から見ると、悪くなった部分が濃い色で映し出されています。

東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター長 渡辺弘之医師

「(経食道心エコーは)後にならないとわからないような、小さな変化をとらえることができること、それから正確な診断ができること。特別なお薬を使う必要もありませんので有用性が極めて高いと考えられます。」

自覚症状なく進行する心臓弁膜症。 定期的に検査を受けることが重要。

kojiの感想

最近、テレビコマーシャルで心臓弁膜症の検査を促す内容のものが流れていますね。ムンクの叫びが使われていまして印象的です。最初は激しい痛みとかを感じず、全体的な不調ということから始まるのだろうと想像します。体調不良→心臓の検査という風にすぐに結びつかないかもしれませんが、頭の隅に入れておくことが大事だろうなと思いました。働き盛りでも発症するという事なので。