前回の記事では、抵当権抹消のオンライン申請に挑戦した様子を紹介しました。
結果的には、委任状を添付せず、申請書の「添付情報」の記述に不備があったため、「補正」が必要となりました。
(この「添付情報」は、大体は”デフォルトの通り(4つ)”でいいようです。)
「補正」(最初の申請で不備がなければ、不要)の経緯と、申請が完了したあと、登記簿(正式には登記登録)を確認して本当に抵当権が消えたかチェックする方法 をまとめます。
1.補正(申請後、電話がかかってきました)
2025年10月7日 「申請用総合ソフト」を使い、オンラインで申請書を提出。
一週間は音沙汰なし。そろそろ「完了」の通知があるのかなと思って居のですが、、、。
10月14日 法務局の担当者から電話がかかってきた。
①申請書に「会社法人等番号」がないので、記入のうえ、再度申請書をアップロードしてください。
②「委任状」が添付されていません。添付してください。
③「解除証明」(私の場合は「抵当権解除証書」)は、原本を郵送または持参する必要があります。
電話を受けた時点では、オンラインで書類の提出を含めて完結できるものと、思い込んでいたのでなかなか話がかみ合いませんでしたが。
最終的に
「今のシステムでは、オンラインで完結できない。提出書類は、PDF化してアップロードした後、原本を郵送または持参する必要がある。」
ということを理解して、対応することにしました。
(銀行から電子署名付きの電子データーが渡された時などは、オンラインで完結できるようですが、そういうことは今のところ少ないようです。銀行から紙の書類しかもらえない場合、郵送・または持参しなければなりません。)
具体的には、
・明日以降、申請用総合システムにログインすると「補正」ボタンが押せるようになっているので、そこから上記①と②について対応する。
・その後、近日中に原本を持参する。(郵送でも可だが、スムーズに進めるためには、今回は対面のほうがいいのでは?という指導を受けて、従うことにしました。)・・・・17日の午後に法務局の窓口に行く約束をしました。
10月15日 申請用総合システムにログインしてみると「補正」ボタンが押せるようになっています。
補正ボタンを押すと下記の通り書かれていました。
| 登記所名:**地方法務局 登記所コード:**** 受付種別:不動産 受付年月日:令和 7年10月 7日 受付番号:第*****号- – 申請情報に、下記のとおり補正を要する箇所があります。 ついては、下記の内容をご確認の上、令和7年10月21日(火)までに補正書をオンラインで提出してください。 ご不明な点があれば、TEL.****‐**‐****(調査担当:**)までお問い合わせ願います。 記 〈補正を要する事項〉 1義務者 「(会社法人等番号 4300ー01ー013150)」を追記願います。 2添付情報 「登記識別情報」、「会社法人等番号」、「代理権限証明情報」を追記願います。 |
指示に従って申請書を修正。(上の①・②について対応)
「会社法人等番号」は、委任状に書かれていました。ネット検索でもすぐ見つかります。
それを見て、入力する必要があったようです。
電話のやり取りで、「会社法人等番号」が分からないと言ってしまったので、補正で示してくれたと思います。
申請用総合システムの「義務者」欄に記入します。
私の場合、すぐには入力場所が分かりませんでした。
義務者欄の下の方に、「名義人情報追加」ボタンがあって、それを12回押したら、
やっと「会社法人等番号」の入力欄が現れました。これは、分かりにくかったです。
2.提出書類の原本を法務局に持参(郵送でも可)
電話でやりとしたときに、「補正をオンラインでやった後、銀行から送られてきた書類を全部持って、こちらに来てください。その方が結果的にスムーズですよ。」とアドバイスを受けました。
10月17日に、持参することを約束しました。
持参したものは、北洋銀行から送られてきた書類全部。
「委任状」や「抵当権解除証書」のほか、「契約書」「登記識別情報通知」「登記完了証」も念のため持参しました。
「委任状」と「抵当権解除証書」は原本を提出することになるので、念のためコピーを取っておきました。
法務局について、担当のカウンターに座り3分ほど待ちました。
担当者がやってきて、書類を確認し、「いいですよ」と言われて、終わりました。
担当者と対していたのは1分もなかったのではないでしょうか。
「補正」もきちんとできていたし、持参した書類に変なところもなかったという事なのでしょう。
本当に一瞬でした。
3.登記完了通知の受領
10月22日、下記のような題名のメールが来ました。
「申請番号『2025*********』の手続について,電子公文書が発行されました。」
メールの中身は次の通りです。
| 申請番号 2025********** 手続名 登記申請書(権利に関する登記) 上記の手続について,電子公文書が発行されましたので,速やかに取得願います。 ———————————————————————— ■電子公文書の確認方法 申請用総合ソフトへログインの上,処理状況表示画面で該当手続の 「公文書」ボタンをクリックし,御確認ください。 |
早速、申請用総合ソフトにログインして「電子公文書」をボタンを押します。
「電子公文書の書き出し」ボタンを押します。
「登記完了証」(電子申請)となっています。書き出し先のフォルダを設定します。
「データの書き出し」ボタンを押すと、ZIPファイルがダウンロードされます。
それを解凍すると、「登記完了証」が現れました。そこには次の言葉が。
| 次の登記申請に基づく登記が完了したことを通知します。 申請情報 登記の目的 : 抵当権抹消 |
10月7日に申請をしてから、補正を経て、22日に完了しました。
補正の連絡をもらったときにはかなり暗い気持ちになりましたが、完了の通知を受けて、とても「安心」できました。
振り返れば、よく資料を見ておけば補正は回避できたと思います。また、補正の手続き(申請書の修正等)も落ち着いてやれば大丈夫だと、今なら、自信をもって言えます。
4.登記簿で抵当権が消えたか確認する
抵当権が消えたことを確実に確認するには、登記事項証明書(登記簿謄本) を取得します。
確認の手順
- 法務局に行くか、オンラインで申請(窓口受け取りか郵送)、オンラインで取得(PDF)
- 窓口:印鑑や本人確認書類を持参・・・1通600円
- オンライン:登記・供託オンライン申請システムで申請。窓口受け取り(1通490円)か郵送(1通520円)。
公的な証明となるので、いずれ取得しておきたいと思っています。 - オンライン:登記情報提供サービス・・・公的機関への提出書類としては認められないことがありますが、すぐに登記情報の内容確認ができます。(1通331円)
私の場合、申請書を作成する段階で登記情報提供サービスを利用しました。当面は、公的な証明は必要なさそうなので、すぐに確認できる登記情報提供サービスを利用しました。
土地と建物で合計662円かかりました。
- 不動産の抵当権欄をチェック
- 以前は金融機関の抵当権が記載されていた
- 完了後は「抹消」と表示される
これで「住宅ローン完済に伴う抵当権抹消手続きが無事完了した」ことを確認できます。
登記情報提供サービスで取得したPDFで「抵当権抹消」 「令和7年10月7日」 という記述を確認できました!
5.おわりに(自力でやってみた感想・学んだこと)
1)住宅ローン完済後は抵当権抹消登記が必要です。
2)金融機関から届く書類が最も重要。登記事項証明も用意しておけば完璧。
3)オンライン申請は少し手間がかかるが、自宅で完結可能
(オンラインで完結、という意味ではありません。書類の原本を郵送または、持参する必要があります。)
オンライン申請は最初は戸惑いましたが、書類を読み込んで一つずつ入力すれば大丈夫。
4)申請から、1週間くらいで何らかの連絡があります。
問題なければ、「完了通知」が来るのですが、、、私の場合は、「補正」の連絡でした。
5)申請用総合ソフトで、「登記完了証」を発行することはできます。
登記事項証明(古い言い方で登記簿)を確認して「抹消」の字を見ると、より安心できます。
もし司法書士に頼めば楽ですが、費用は1万〜2万円かかります。
自力でやれば 登録免許税+登記事項証明書の手数料程度 で済むので、節約効果は抜群です。
シリーズを通してのアドバイス
- 書類は紛失しないよう、受け取ったらすぐ整理
- オンライン申請にはマイナンバーカードとICカードリーダーが必須
- 不安がある場合や複雑なケース(複数の抵当権、所有者が複数など)は司法書士に相談したほうがいい場合もあると思います。
この3記事を読めば、初めてでも住宅ローン完済後の抵当権抹消手続きがどのように進むか が理解できます。
回り道も多かったですが、やってみてよかったです。
自力で抵当権抹消を行おうとする人にとって、私の失敗が少しでも参考になればと願っています。











