不整脈の最新治療について(治る!最前線から)

年齢とともに、健康に関する情報には敏感になります。
今まで気にも留めていなかったことが、急に気になりだすここともあります。
例えば、老眼について、、、ある時から一気に切実な問題になりました。

先日、WBSというニュース番組の「治る!最前線」というコーナーで不整脈のことを扱っていました。
(10月30日(金))

テレビ東京の経済系ニューズ番組、WBS(ワールドビジネスサテライト)はけっこうお気に入りです。
日経新聞が協力していて、経済という視点からいろいろなニュースを取り上げています。

録画したものを見直しました。
最近始まったばかりの不整脈の最新の治療方法を紹介していました。
『治る!最前線 第52回 突然死を招く病 不整脈の最新治療』

突然死を招く恐ろしい不整脈。
体に負担の少ない治療法が、進化を続けています。
その最前線を取材したとのことです。
興味深く見ました。

不整脈について

加齢に伴うリスクの一つ、不整脈。
不整脈は、脳梗塞や突然死を引き起こすことがあります。

不整脈の患者数は45万人。
高齢化の中で増加しています。

原因は肥満や高血圧などの、生活習慣病です。

脳梗塞につながる恐れもある不整脈=「心房細動」

茨城県にある筑波大学附属病院。
治療のため入院している70代の男性患者。
今年の4月、激しい動悸やふらつきがあり、検査したところ、異常が見つかりました。

心電図を見ると脈の感覚が全部不規則になっています。
不整脈の一つ。「心房細動」という病です。

脳梗塞の原因となります。
異常な時は間隔が乱れ、さらに、小刻みに波打ったりします。

患者 「動悸がかなり早くなったり、また、脈の速さが変わるので、これじゃ倒れちゃう。
ふらつくというのは、とても生活ができないんで、、、」

●病の説明●

心臓は上部にある、洞結節というところで作られた電気信号が心臓内部に伝わることで規則的に動いています。
心房細動は、肺静脈でできた異常な信号によって正常な信号がうまく伝わらず、脈が乱れる病です。

医師 「症状がひどくなると、心不全を引き起こす。もっと怖いのが、心臓の中に血の塊=血栓ができてそれがある拍子に飛んでいって、脳梗塞を起こす危険性があるんですね。」

●治療の様子●

患者は去年始まった最新治療を受けることになりました。
最新の機器は、先端に特徴があります。

まず、太ももの血管にカテーテルといわれる管を入れます。
その管を通して、器機を血管に入れ心臓まで到達させます。

レントゲンで見ると器機が心臓に入っている様子が見えます。
器機は10月に保険適応された「冷凍バルーンカテーテル」

膨らますと直径およそ2センチ。
バルーンに亜酸化窒素ガスを送り込むと、表面の温度がマイナス50度以下に下がります。

治療では、肺静脈の入口にバルーンをふさぐようにして膨らませ、そして冷却することで触れている部分を一気に壊死させます。

肺静脈の入口を焼くと、心臓に異常な電気信号が伝わらなくなります。

治療中、医師が確認しているのは電気信号を表した波形。
小さな波が異常な電気信号です。

心臓の中でバルーンが膨らみました。
ガスを流し込み、バルーンを冷却させます。

冷却からおよそ30秒。
異常な電気信号の波がなくなりました。

不整脈の元を断つことができたのです。

肺静脈4ヶ所を焼き、1時間半で終わりました。

入院は4日ほど。
治療費はおよそ70万円。
10月、全国で保険適用が始まったばかりです。

医師 「侵襲(体への負担)が軽減されるのは事実であると思います。
加齢とともに(心房細動の)頻度が上がりますので、高齢者に対する治療として、福音になる可能性があると思います。」

突然死を引き起こすこともある不整脈=「洞不全症候群」

福岡・北九州市 「小倉記念病院」
突然死を引き起こす不整脈にも、体に負担の少ない治療が生まれています。

80代の男性患者。
先日、突然、失神して受診したところ、異常が見つかったとのこと。

●病の説明

医師 「もともと脈が遅めだったんですけど、いままでよりもかなり遅くなっている部分があった。
3.3秒、脈が遅くなっていた。」

この患者の不整脈は「洞不全症候群」
普段と比べると受信したときの脈が極端に長い。
洞不全症候群は、電気信号を出す洞結節の働きが悪くなり、ひどい時は失神を引き起こします。

患者 「意識がなかったんですよ。それで救急車を呼んでもらった。」

●最新のペースメーカー

患者は脈を調整するペースメーカーをつけることになりました。
医師が取り出したのは、今回取り付ける最新型のペースメーカー。

10月に治験が始まったリードレスペースメーカー

長さ4センチの筒型です。
従来のペースメーカーには、リードと呼ばれる長いコードがついています。
従来型は皮膚にうめこみ、リードという線を心臓に入れ、脈に異常が起きると電気を流して整えます。

傷が残る欠点があります。
また、外から膨らんで見えます。

リードレスペースメーカーは、ペースメーカーを血管を通して心臓の中に埋め込むため、目立つ場所に傷が残りません。

先端のネジを心臓の筋肉にねじ込むように固定します。

治療が始まりました。
患者の太ももからリードレスペースメーカーを入れます。
血管を通り心臓に近づいていきます。

心臓内の狭い個所をうまく抜けられるよう、医師は慎重に操作します。

後は、ペースメーカーを遠隔で操作し脈が設定どおりに打つかを確認します。

正常値の60に設定。
患者の脈を確認すると、設定どおりでした。
ペースメーカーが、心臓の中に固定されました。

電池は10年ほど持ちます。

治療時間は平均30分ほどだそうです。
これまでの外科手術と比べると、回復が早く3日ほどで退院できます。
(現在は治験中のため1週間)

医師 「まだ始まったばかりですので、今後、開発や経験を積んでいくんでしょうけど、将来的には、ペースメーカーが必要な患者さんの大部分が恩恵を受けていくようになるんじゃないかなと思っています。」


高齢者に多く、今後も増えるとされる不整脈。
体に負担の少ない新たな治療が進化を続けているということで、心強く思いました。

私も、中学、高校のころ不整脈と言われたことがあります。
部活でけっこう体を追い込んでいたためかもしれません。
たまに、脈の乱れを自覚することはありました。
深刻なものではないとのことで、様子を見るように言われていました。

何事もなく過ごしてきて、就職後、2、3年のころだったと思いますが、検診で不整脈の疑いということを言われたことがあります。

その後は、検診で引っかかることもなくなり不整脈のことは他人事だと思うようになりました。

ただ、今回この特集を見て、「加齢とともに電気信号を出す働きが弱くなる」ということを知りました。
他人事としないで、体の変調に気を付けていきたいなと思いました。

最新治療は、とてもありがたいことです。
ただ、ベストは、治療する必要がないという状態です。
まずは、出来るだけ歩こうかなと思いました。