2017年7月11日、「たけしの家庭の医学」は、”健康寿命を延ばすために!”という特集でした。その最初は、血管の老化を止める!という内容でした。動脈硬化を予防してくれるお茶は抹茶、煎茶、玉露、ほうじ茶のうちどれか?という入りでした。興味深かったです。

簡単に言えば、煎茶には動脈硬化を防いでくれるエピガロカテキンガレードが豊富に含まれているので、煎茶を飲むのがよい。ただ、普通に急須で入れた場合は3割しかエピガロカテキンガレードを摂れないので、粉末にした煎茶をお湯に溶かして、お茶を丸ごと体に入れるのがいいということでした。
内容をkojiなりにまとめておきます。

動脈硬化について

老化して、動脈硬化になった血管の写真からスタート。かなり刺激の強い写真でした。動脈硬化は老化と共に着実に進んでいる。少し冷めた声で「他人事ではありませんよ!」と言われると、ぞくっとしました。恐ろしかったです。

そこで注目すべきは、血管に脂肪分を蓄積させない、動脈硬化ストップ栄養素。この栄養素について世界中で発表された論文はおよそ5000件。医学界から熱視線を受けている栄養なのです。その名はエピガロカテキンガレード。
マウス実験では、この動脈硬化ストップ栄養素を42日間与えたところ、血管への脂肪の蓄積を半分に抑えることが出来たそうです。

解説してくれたのは、東京医科大学の小田原雅人先生。30年以上にわたって、動脈硬化などの血管の以上について研究を続けけて来た方。糖尿病診療ガイドラインの作成に携わる等、医師を指導する立場でも尽力しています。世界中の最新研究に精通する日本屈指の血管の名医です。
小田原先生
「お茶の効果はいろいろと言われている。がんや認知症予防の研究もあるが、最も確実なのは血管への効果。エピガロカテキンガレードには、悪玉コレステロールを下げる働きがあるということがわかってきた。そのシステムも解明されてきた。
悪玉コレステロールは酸化されて酸化されて動脈硬化を引き起こす。その酸化を防ぐ作用=抗酸化作用がエピガロカテキンガレードにはある。」

動脈硬化ストップ栄養素、エピガロカテキンガレードとは

どんな食品に多く含まれているのか

カテキンという言葉が含まれていることからもわかるように、その食品はお茶。
ただし、エピガロカテキンガレードはどのお茶にでも含まれているわけではありませんでした。お茶は現在、空前のブーム。ペットボトルをはじめとしていろいろな製品が販売されていて、手入れやすい食品ではありますが、選ばなければいけません。

お茶種類によって含まれてい量が違うエピガロカテキンガレード

普通、お茶といえば次の四つが代表格ですね。これらはまとめて緑茶と呼ばれます。この四つはもともとは同じ茶の葉から作られるそうです。
・煎茶 ・ほうじ茶 ・玉露 ・抹茶

番組では徹底検証を行っていました。島津製作所が協力。※( )内の数字は、1グラム中の成分量です。
1位=煎茶(340mg) 4位のほうじ茶の17倍。
2位=抹茶  3位=玉露  4位=ほうじ茶(20mg)

エピガロカテキンガレードの量が変わってくるのは、その育て方と摘み取った後の処理の仕方によるのでした。

煎茶にエピガロカテキンガレードが多い理由

お茶の基礎知識

緑茶(煎茶・ほうじ茶・玉露・抹茶)以外の「紅茶」も「ウーロン茶」も、お茶はすべて、ツバキ科カメリアシネシンスという木から取れます。

緑茶は、作り方によって大きく二つのグループに分けることが出来ます。【煎茶・ほうじ茶】のグループと【玉露・抹茶】のグループです。煎茶のグループは、渋みを出すため、よく日光に当てて育てます。一方玉露のグループは覆いをして日光を避けます。こちらはお茶に含まれるうまみを重視しています。玉露グループはお茶の渋みが少なくなります。

5月ごろ、茶の木の上部に生えた新芽だけが摘み取られて工場へ送られます。工場ではほとんど同じ工程をたどります。
・香りを引き出すため約1分、高温の蒸気で蒸す。
・乾燥させながら打ち付けて、つぶす。中の水分をしっかり飛ばし香ばしく。
—–ここまで終了 → 「荒茶(あらちゃ)」—–

●煎茶グループ(日光に当てて育てた葉)
・荒茶を焙煎 → 煎茶
・荒茶を焙煎せず、200度以上の高温で焙じる → ほうじ茶
※番組中では「焙煎」と「焙じる」の違いが説明されていませんでした。調べてみましたが、どちらもから煎りするという点では同じで、色が変わるまで強く焙煎することを焙じるというようです。

●玉露グループ(途中から日光をさえぎって育てた葉)
・荒茶を焙煎 → 玉露
・荒茶を火にかけずに粉末状に挽く → 抹茶

豆知識・・・煎茶の歴史は意外と浅く、江戸時代中期。永谷宗円が庶民にも抹茶のようなお茶を。永谷宗円は煎茶の改良に努め、飲み続けた。97歳まで生きたのは、煎茶のおかげだろうと思われる。

エピガロカテキンガレードは渋み成分だった

実は、エピガロカテキンガレードはお茶に含まれる渋みの一種です。日光を浴びれば浴びるほど増加していきます。日光を十分に当てて育てた抹茶グループの方が多くなります。
しかし、エピガロカテキンガレードは高温になると分解されてしまうので、ほうじ茶では少なくなってしまったのです。

動脈硬化をストップするエピガロカテキンガレードが一番多いのは煎茶でした。

煎茶からのエピガロカテキンガレードの摂り方

(1)沸騰したお湯で煎茶を入れる
エピガロカテキンガレードはお湯の温度が高いほどよく溶けだす。渋み=カテキンである。
※注意事項=熱い飲み物は食道がんのリスクを上げるため、注意が必要。また、煎茶にはカフェインも含まれているので、飲みすぎには注意が必要。

(2)粉末煎茶によって茶葉を丸ごと取り入れる
沸騰したお湯を使っても、普通の飲み方では30パーセントくらいしかエピガロカテキンガレードを摂取できない。茶葉をそのものを摂ることに越したことはない。
知覧茶の産地、南九州市のお茶農家の人たちは日ごろから粉末煎茶をたくさん飲んでいるそうです。血管年齢は実年齢よりも低い人が続出でした。

今から27年前、お茶の需要が落ち込み始めたとき、農協職員が急須を必要としないお茶の飲み方を研究、開発。地元を中心に人気が爆発。今では、回転ずしのお店でも活躍していますね。地元では、お菓子にも料理にも活用している人が多いそうです。

まとめ

このエピガロカテキンガレードの話題は50分ほど費やしていました。結論だけに絞ると、エピガロカテキンガレードは血管のためにはとてもいい栄養素で、粉末煎茶を使うことで効率的に摂ることが出来る、ということでした。
個人的には、やや間延びしていたかなと感じますが、お茶の基礎知識を得ることが出来たのは、収穫でした。

茶葉を捨ててしまうのはもったいないというのは、以前から言われてきたことですが、実際に出がらしを使うとしたら、手間がかかったり、味の面で問題があったりしました。最近は、最初から粉末になった煎茶が増えて来ました。今回の放送をきっかけに、全国的にもますます人気が高まっていきそうですね。そういえば、最近、100円均一のダイソーでも「粉末煎茶」見かけました。

玉露や抹茶よりも庶民のお茶の煎茶が優れている面があるというのは、嬉しかったです。日ごろkojiはそれほど緑茶を飲みませんが、粉末煎茶ならペットボトルに入れて冷たいお茶として飲んで行きたいと思いました。やっぱり、血管年齢は気になりますね。