北海道十勝管内大樹町にあのベンチャー企業「インターステラテクノロジス」が打ち上げた小型ロケット「MOMO(モモ)」は、7月30日午後4時31分に打ち上げられました。無事飛び立ちましたが、発射から66秒後に機体からの飛行データが途絶えたため、緊急停止コマンドが送信されエンジンは停止。その後、大樹町沖6.5キロの太平洋に落下しました。
到達高度は20キロ。目標としていた、宇宙空間(高度100キロ以上)には到達できませんでした。残念です。

失敗原因は?

インターステラテクノジスの稲川社長によると、「(空気の力によって一部)機体が損傷するなどし、内部の配線に不具合が生じたとみられる」と説明したそうです。
途中までは充分なデーターがとれていたそうで、データーが届かなくなった原因を更に解析してしていくとのことでした。

延期が相次ぐ

民間初の快挙を目指していたMOMOですが、当初の予定は29日午前。その後機体の一部不具合や悪天候などで4回にわたり打ち上げが延期されました。この30日夕方を逃したら、11月まで延期されることになっていたとのことで、「やってしまいたい」という気持ちが働いたのではないかと想像します。たくさんの人が詰めかけてくれていたわけで、いくら霧が出ていたとはいえ、「悪天候のため11月まで延期します。」とは言いにくかったと思います。

いざ発射という場面、パブリックビューイング会場にいた人も、霧のため発射のシーンを肉眼で見ることはできませんでした。音を聞くだけしかできず、残念だったと思います。機材トラブルの後に、天候が崩れてくるということで、今回は「運」もなかっと思います。

実は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)も今年1月、モモとほぼ同じ大きさの固形燃料の小型ロケット「SS520」を打ち上げて失敗しています。こちらは、今年度中に再挑戦することが固まっているそうです。

今後に期待

最悪の場合は、エンジンを動かしてもきちんと上に上がらないままに壊れてしまうということもあったはずです。それが、しっかりと上昇。緊急停止までは予定通りに飛んでいたそうですから、発射の初期段階はクリアしているといえるのではないでしょうか。
とにかく今回得られたデーターをもとに改良、改善を重ねてほしいです。稲川社長も”年内にもモモの後継機を完成させる”という方針であることを示しています。

インターステラテクノロジスの創業者、元ライブドアの堀江さんは、モモより大型の「超小型人工衛星用ロケット」を設計していることを明らかにしました。全長約17メートル、直径約2メートルの2段式だそうです。すでに、先を見据えていますね。頼もしいです。

”素人集団がやっていることだから、失敗して当然。今後にもつながらない” というような発言がネット上にあり、悲しくなりました。 どんな偉大な業績も最初から皆に認めらていたわけではありません。多くは、後ろ指をさされながら、試練を乗り越え画期的なものを作り出して来ました。大樹町のロケットもきっと、そうなるはずです。

大樹町は町として30年にわたって宇宙開発を重視してきました。いよいよここからです。高橋知事も応援しています。めげずに、次のロケットづくりに向かってほしいです。kojiも応援します。