全て無料のスーパーマーケットがオープン!
2017年7月8日版の朝日新聞デジタルで見た記事。
世界初「すべて無料」のスーパー 値札なし、レジもなし(朝日デジタル)
果物や野菜、パンもコーンフレークも全て無料のスーパーがオーストラリア、シドニーに誕生したのは4月28日。店の名前は「オズハーベストマーケット」。シドニー南部の町ケンジントン(Kensington)にあります。開店時間は平日の午前10時から午後2時までで、毎日150人ほどが来店しているそうです。約2000点の商品に値札はなく店内にはレジもありません。お客さんはカゴ1つ分だけ商品を手に入れることができます。

運営方法

運営しているのは市民団体「オズハーベスト」です。
・賞味期限前に処分されてしまう食品を譲り受けて商品として提供。
・建物の家賃や光熱費は、事業の趣旨に賛同したビルのオーナーの厚意により無料で提供されています。
・運営に必要な約10人のスタッフはボランティアの人たちです。
多くの善意が集まって無料スーパーが成立。
カゴ一つ分の商品の代わりにお客さんには寄付をお願いします。4月の開店から5週間で20,000ドル(日本円で約170万円)ほど集まりました。寄付金は食事提供事業に充てられるとのこと。

市民団体「オズハーベスト」

無料スーパーを運営している「オズハーベスト」は、2004年からオーストラリア各地で支援が必要な方たちに6500万食を提供してきた団体です。
「オズハーベスト」は、
①良い食べ物が無駄にならず、
②誰もが利用できるようにして、
③国を豊かにすることを目的として謳っています。
オーストラリアの「ローカルヒーロー・オブ・ザ・イヤー2010」にも選ばれた、団体の最高責任者ロニ・カーン氏は、
「まだ食べられるのに破棄されてしまう食品ロス問題に対する意識を高めてもらうのと同時に生活に困っている人たちへの支援も狙っている」「各産業が我々に影響を受けてより多くのオズハーベストマーケットが現れるのを見たいです」とオズハーベスト公式サイトで語っています。

食品ロス問題

オーストラリアでは年間750万トンもの食品ロスが発生しています。お金に換算すると80億ドル(日本円で約6400億円)です。大きな原因は、期限切れ食品の廃棄と食べ残しで、食品ロス全体の60%にも上るそうです。なぜそんなに食べ残しが出るのか?と不思議に思いますが、政府の調査で、多くの家庭で買い物前に冷蔵庫の中身を確認しない、つい食事を作りすぎて余ってしまうなどの事情があることが明らかになっています。オーストラリアでは共働きの家庭がほとんどであるため、子どものために食事を多めに作り置きする傾向が強いそうです。働く女性が増えている日本も他人事とは思えません。

日本では…

日本の食品ロスは年間632万トンです。1人当たりに換算すると、毎日お茶碗1杯分のご飯(136g)を捨てている計算になります。この量は飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量の年間320万トンを大きく上回っている量です。日本でも食品ロスが大きな課題であることがわかります。傾向もオーストラリアと似ており、食品ロス全体の約半分の302万トンが家庭から発生しています。

こうした状況の中、日本にも「オズハーベストマーケット」に近い活動を行っている団体があります。NPO法人「セカンドハーベスト・ジャパン」という団体で、食品企業から寄付をもらい、福祉施設などへ無償提供する「フードバンク活動」というボランティアを行っています。

セカンドハーベスト・ジャパン のホームページ
個人からの寄付も受け付けているようです。ただし、お米以外の賞味期限の記載のない食品は受け付けていません。また、賞味期限切れの食品や、包装が破損している食品も受け付けていません。送料は、送り主負担です。
特に缶詰などが喜ばれるようです。自分の家で消費しない食品を有効活用出来るところですね。

おじさんは思った

最初、「無料スーパーとは、いいもんだな」と思っていたのですが、それは実は食品ロスの問題につながっていました。食品ロスがなければ、無料スーパーは成り立たないわけです。
ただ、現実問題として食品ロスがなくなることはありません。食品ロスを増やさないようにしつつ、それを有効活用できる無料スーパーを増やしていくことで、無駄になってしまう食品を減らしてくいくというところが、目指すべきところなのでしょう。

食品ロスの半分が家庭からの発生ということですから、それを減らすべく、各家庭でできることからはじめなければなりませんね。こういう言い方をすると、キッチンを預かる方は「台所に入らない人は私たちに責任を押し付けているだけ。口だけ。身勝手だ。」思われるかもしれません。kojiも実際にできることは少なく妻に頼ることになってしまい心苦しいです。とりあえず、日ごろ心がけていることは、「賞味期限にはこだわらないから」と口にすること。そして、賞味期限間際だろうが、(推奨できませんが、多少賞味期限が切れていようが)「おいしい」と言って料理をいただくようにしています。
悪くなっている食品を舌や鼻で見分けられるようでありたいと思っています。

消費者庁でも、食品ロスを減らすための啓蒙を行っています。
食べ物のムダをなくそうプロジェクト(消費者庁)

クックパッドにも「消費者庁のキッチン」というコーナー設けています。そのページ説明には、「食を楽しみながら食物アレルギーや食品ロスといった身近な問題に役立つレシピを掲載していきます。」とありました。
消費者庁 のキッチン 公式

役に立つサイトだと思います。