アコースティックギターってよく聞くけど、フォークギターと何が違うの?

 私kojiが中学、高校の頃はフォークギターを持っているのが当たり前でした。一人一台ではないにしろ、若い者がいる家には、1台必ずあったように思います。「フォークギター」です。
 最近は、その言葉をあまり聞かなくなったような気がします。代わりに「アコースティックギター」という言葉を聞きます。「アコギ」と略する人もいます。「アコギとフォークギターは違うんだっけ?」と疑問がわいて、「オレ以外にも同じように、やもやしている人もいるかも。」いうことで、この記事が生まれました。
 あなたの頭がすっきりして、音楽の楽しみがより深まりますように。

アコースティックギターとは?

アコースティックギターの定義

 辞書で調べてみると、「アコースティック」=「acoustic」=電気的な機器・装置を使わない、楽器本来の響きをもつさま。生の。 ということでした。
 つまり、アコースティックギターとは、電気的な増幅なしに楽器本体の響きで音を出すギター全般を指す言葉、広義の総称ということになります。(最近聞かないですが、「生ギター」という言い方もあったと思います。)
 アコースティックギターはエレキギターと対になる言葉でいろいろなギターを含んでいます。

アコースティックギターの種類

  • クラシックギター: ナイロン弦、優しい音色、指弾き中心、クラシック音楽やボサノバなど。
     ガットギターと言われることもあります。
  • フォークギター: スチール弦、パワフルな音、ストロークや弾き語りに最適。
  • エレアコ: アコースティックギターにピックアップ(マイク)を搭載し、アンプから音を出せるタイプ。ライブでの使用を想定していますが、音色はアコースティックギター。
     ※フルアコ・セミアコはともに、エレキギターです。
      ソリッドギター(ボディに空洞がないギター)が出てくる前のエレキです。
      構造的にはエレアコと似ていますが、音色はエレキギターで、アコースティックギターのような音は出ません。

結局のところ…「アコースティックギター」と「フォークギター」の関係性

「アコースティックギター」という大きな枠組みの中に、「フォークギター」もある、ということですね。そして、フォークギターはアコースティックギターの代表選手。アコースティックギターと言えば、一般的にイメージされるのが「フォークギター」であることが多いということです。

フォークギターとは?その音色と歴史

 一言でいえば、フォークギターは、スチール弦を張ったフラットトップ型のアコースティックギター

フォークギターの特徴

  • 音色: 明るく、輪郭がはっきりしており、大きな音量が出る。サスティーン(音の伸び)が長い。
  • ネック: クラシックギターより細身で、コードを押さえやすい傾向がある。
  • 弦: スチール弦が使われる。弦の太さは「ゲージ」と呼ばれ、音量や演奏性に影響します。細い弦ほど押さえやすく、繊細な音が出やすいけれど、音量は小さめ。太い弦ほどパワフルな音量とサスティーンが得られるけれども、押さえるのに力が必要。
  • 演奏スタイル: ストローク(かき鳴らし)、ピック弾き、弾き語りに非常に向いている。
  • ボディ形状:内部が空洞になった厚みのあるボディを持っています。これにより、弦の振動がボディ全体に共鳴し、電気的な増幅なしで大きな音を出す「箱鳴り」が可能です。
     フォークギターは、ドレッドノートのような大型でパワフルなサウンドを持つものから、オーディトリアム、コンサート、パーラーといった比較的小型で繊細なサウンドを持つものまで、非常に多様なボディ形状とサイズが存在します。
     これは、多様な音楽ジャンルや演奏スタイル(ストローク、フィンガーピッキング、ソロギターなど)に対応するために進化してきた結果と言えます。クラシックギターのボディ形状は比較的統一されています。
  • ピックガード: ピックによるボディの傷つきを防ぐための「ピックガード」がサウンドホールの横に取り付けられています。ティアドロップ型(涙型)のピックガードがついていることが多いです

「フォークギター」という名称は1960〜70年代のフォークソングブームで特に定着しましたが、現在は「アコースティックギター」という呼称の方が広く使われています

音量とサウンドキャラクターの方向性

フォークギターは、エレキギターのようにアンプで大音量を出すことを前提としていないため、ボディの大きさや形状によって生音の音量や音質(低音の豊かさ、高音のクリアさなど)が大きく変化します。特に、ドレッドノートのような大型ボディは、豊かな音量とパワフルな低音で歌の伴奏などに適しており、この「パワフルな生音」はフォークギターの大きな特徴の一つです。

フォークギターの歴史と発展

フォークギターは、その名の通り、アメリカのフォークミュージックと共に発展したギターです。

  1. 誕生と初期の発展(20世紀初頭〜1930年代):
    • もともと、クラシックギターやバンジョー、マンドリンなどが主流だった時代に、より大きな音量と耐久性を求めて、鉄製の弦(スチール弦)を張れるように改良されたギターが登場しました。これがフォークギターの原型です。
    • 初期には、ブルースやカントリーミュージックのプレイヤーたちに愛用され、その力強い音色が楽曲に深みを与えました。マーティンやギブソンといったメーカーが、この時期に様々なモデルを開発し、現在のフォークギターの基礎を築きました。
  2. フォークリバイバルと黄金期(1950年代〜1970年代):
    • 1950年代後半から1960年代にかけてアメリカで巻き起こった「フォークリバイバル」ムーブメントの象徴的な楽器として、フォークギターは爆発的に普及しました。
    • ボブ・ディランやジョーン・バエズといったシンガーソングライターたちが、フォークギター一本で社会的なメッセージを歌い上げ、多くの若者を魅了しました。この時期に、現在のドレッドノート型などの大型ボディが主流となり、より豊かな音量と響きを持つギターが求められました。
    • ロックンロールの隆盛と共に、ビートルズやローリング・ストーンズといったバンドも、楽曲にフォークギターを取り入れ、その音色は世界中に広まりました。
  3. 多様化と進化(1980年代以降〜現代):
    • 1980年代以降は、エレアコ(ピックアップ内蔵のアコースティックギター)の登場により、ライブでの使用がより容易になり、その活躍の場を広げました。
    • 現在では、ポップス、ロック、カントリー、ブルース、ジャズ、そして日本のJ-POPなど、あらゆるジャンルでフォークギターが使われています。木材や構造、ピックアップシステムなどの進化により、さらに多様な音色と演奏性を持つモデルが生み出され続けています。

このように、フォークギターはアメリカのルーツミュージックから始まり、フォークムーブメントを経て世界中の音楽シーンで欠かせない存在へと成長していった歴史を持つギターです。

フォークギターとクラシックギターの違い

表形式で、フォークギターとクラシックギターの違いを整理してみます。

項目 フォークギター クラシックギター
主な弦の種類 スチール弦(金属弦) ナイロン弦(ガット弦)
音色
  • 明るく、シャープで力強い
  • 輪郭がはっきりしており、サスティーン(音の伸び)が良い
  • パワフルで迫力がある
  • まろやかで、柔らかく温かい
  • 優しい響きで、繊細な表現が可能
  • 素朴で落ち着いた音色
ネックの幅 比較的細い 比較的広い
演奏スタイル
  • ピックを使ったストローク(かき鳴らし)
  • ピック弾き、フィンガーピッキング(指弾き)
  • 弾き語り
  • 指を使ったアルペジオ(分散和音)
  • フィンガーピッキング(指弾き)
  • 独奏、アンサンブル
主な音楽ジャンル
  • フォーク、ロック、ポップス、J-POP
  • カントリー、ブルース
  • 弾き語り全般
  • クラシック、ボサノバ、フラメンコ
  • ラテン音楽
  • ジャズの一部
ボディ形状の傾向 大型(ドレッドノートなど)、くびれが少ないものも 小型〜中型、くびれがはっきりしている

 私がギターを抱えていたころは、「フォークギターは男っぽくてかっこいい」と思っていました。クラシックギターは音がやわらかいから、いまいちだなと思っていました。ただ、「禁じられた遊び」という曲には誰もが一度は挑戦していたと思います。それをきちんと弾きこなす人間は尊敬されていました。 

思い出のギターの楽曲

  1963年生まれのkojiは、1970年大阪万博の年に小学校に入学しました。小学校の高学年の頃から、友達の兄の影響で、フォークソングを聞き始めました。なんといっても「かぐや姫」でした。かぐや姫解散のころから、かぐや姫の曲を聴きまくったという感じです。
 「日本のフォークソングを語る上で欠かせない「かぐや姫」。彼らの楽曲は、フォークギターの温かくも力強いサウンドが中心となっており、日本のフォークギターの原風景とも言える音色を聴くことができます。例えば、『神田川』や『22才の別れ』といった楽曲では、シンプルながらも心に響くフォークギターの魅力を感じ取ることができるでしょう。彼らの音楽は、弾き語りや、素朴なアンサンブルを目指す方にとって、フォークギターの可能性を教えてくれるはずです。

かぐや姫の中でも特に、この2曲は何度聞いたか、わからないし、何度歌ったかわかりません。
ギターもかっこいいと思いました!

洋楽はあまり聞きませんが、エリック・クラプトンというギタリストの名前は知らず知らずのうちにインプットされていました。「レイラ」はわかります。エレキギターの名手という理解できましたが、十数年前偶然聞いたアルバム「アンプラグド」にはショックを受けました。プラグにつながっていない=電気を使わない=アコースティック。
 生音で作った楽曲集ということですね。
アコースティックギター・・・フォークギターもクラシックギターも両方とてもかっこいいです。アコースティックギターのすばらしさをたっぷり堪能できるアルバムです。ぜひ、お聞きください。
最初は、「Tears in Heaven」・・・クラシックギター。甘い。すごい。

あの名曲「レイラ」のアコースティック=アンプラグドバージョン

エリック・クラプトン、いい具合に年を重ねていると思いました。憧れます。
南こうせつもいまだにギターを抱えてコンサートをしていますね。北海道の田舎も回ってくれているので、機会があったら行ってみたいと思っています。
 kojiがもう一度、ギターを抱えることはあるのか? ちょっとは、考えています。

 生音はいい。