これまで、いろいろなものが自動化されてきました。
特に、家電は自動化を追い求めて発展してきたといえると思います。

餅つき機が出てきたときにはびっくりしました。
私たちが小学生のころだと思います。
(今、ちょっと調べてみたら、家庭用餅つき機を初めて出したのは東芝らしい。1971年。
小学校2年生の時ということになります。)
日本初の家庭用もちつき機(東芝のHP)

さて、最近「洗濯物折り畳み機」というものを知りました。
東京テレビ、WBSで取り上げていたのを見たのです。(2015年10月7日(水))
まだ試作段階ですが、家電や先端技術の見本市、シーテックに出展されていたそうです。
開発期間はおよそ10年。
注目のマシンです。

シーテックの中でもひときわ人を集めていたブース。
「ランドロイド」と名付けられた”世界初の洗濯物折り畳みロボット”
くしゃくしゃにしたTシャツを入れて、スタート。
3分後に折りたたまれて出てきました。

開発したの、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ。
家電とは無縁のベンチャー企業です。

洗濯物たたむのは、大企業でも不可能と言われてきました。
パナソニック常務 「ニーズがあるのはわかっていたんですけど、解決できる技術的アプローチにたどり着いていなかった。」

ランドロイドの開発工場、WBSの独占取材の内容

WBSの大江キャスターは、神奈川県相模原市のランドロイドの開発工場を訪れました。

社長に対応してもらって、見学です。
テレビカメラが入るのは初めてだそうです。

小惑星探査機「はやぶさ」のカーボン製部品も製造してきたそうです。
セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズはカーボンの会社だったのです。
その製品開発のために磨いてきたのが、測定技術。
測定器を一から自分たちで作り上げるほどです。

この技術を生かして、ゴルフクラブも開発してきました。
安いものは12万円。高いものは1200万円。
カーボンで作った完全オーダーメイドの製品です。
素振り軌道を測定して1本ずつ作ります。

オリジナルの測定器で作った製品。
他社には真似のできないものです。

全自動洗濯物折り畳み機「ランドロイド」の要も、測定技術です。

ランドロイドの開発担当者、北川さん。
10年前に担当になりました。
「様々な形の服を自動でたたむのは不可能。」と技術者たちが逃げ出す中、手を挙げました。

ロボットや測定技術の知識はありましたが、家電は素人。
「参考にするものが何もなく、基礎的なところから開発した。」
とのこと。

企業秘密だらけの内部には、カメラとロボットアームがあります。
カメラで服の種類を判別し、それをアームで畳みます。

持ち方で形が変わる洋服は判別が難しい。
そこで、高い測定技術が生きました。

シーテック1か月前、、、、

自社開発の測定ソフトを使い、映像の座標とアームの動きを調整します。
工程① 衣類を投入(Tシャツを入れました。)
工程② 持ち上げる(アームでTシャツを持ち上げました。)
工程③ 広げる(Tシャツを広げます。)
工程④ 測定ソフトで形を判別
工程⑤ 折り畳み

このときは、失敗してしまいました。
画像とアームのずれが原因。
調整が必要です。
ここまでで折り畳み作業は2万回以上行ってきたそうです。

時間がたって、、、
再度訪れた大江キャスター。
外見も製品のようなものになっていました。
カーボンがふんだんに使われています。

大江さんが実際にTシャツを入れてみました。
中の様子は、モニターで確認できます。

3分後、きちんと畳まれていました。
開発担当者の北川さんも満足げでした。

ランドロイドの開発には、6億円以上を投じてきたそうです。

自動折り畳み機を開発することにした社長の考えは、
「技術力がいかせて、誰も挑戦していない難しいもので、
完成すれば爆発的に売れるもの、、、」

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シーテック当日。
デモンストレーションは無事に成功しました。

パナソニック、大和ハウス工業との提携を発表しました。
2016年度に「折り畳み専用機」を販売します。

2019年には洗濯乾燥機との一体型、
2020年には自動で棚に仕分けるスマートハウス組み込み型も販売する予定だそうです。
すごいことになりそうです。

家電を知らないベンチャーが10年かけて生んだ技術が、世の中を変えていくことになりそうです。
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販売開始の時には、一気に40枚入れてたためるようにしたいということでした。

洗濯物をたたむのにかける時間は、主婦の人生の中で1年分あるそうです。

2015年10月16日(金)NHK「あさイチ」でも取り上げていました。

IoT=Internet of Thingsの略
(物のインターネット化)

IoT家電の一つとして、全自動洗濯物折り畳み機が紹介されていました。

社長の言葉、
「現在は、シャツ、ズボン、スカート、タオルが畳めるのですが、インターネットにつなぐことで、バージョンを上げていってあらゆるものが畳めるようになります。」

バージョンアップによって、スピードアップの可能性もあります。

可能性いっぱいの全自動洗濯物折り畳み機です。
実用化されたものを早く見てみたいです。