斉藤和義の『遺伝』という曲のミュージックビデオ(MV)を見たことがありますか? 2017年に発表されたこの作品、なんとあの名作ドラマ「子連れ狼」をモチーフにしているのです。
名優・大杉漣や新井浩文らが出演し、子連れ狼や木枯し紋次郎をオマージュしたレトロで豪華な世界観は、私たち世代の心をグッと掴む仕掛けが満載。あの哀愁漂う空気と、斉藤和義のギター姿が最高にマッチしています。
劇中では、木枯し和次郎(斉藤)がギターを抱えながら、
♪人は誰でも平等で ♪いつか努力は報われる
と歌い、拝一剣の殺陣シーンでは大三郎(新井)が「ちゃーん!」と叫ぶ。そして別れ際に和次郎が放つ、お馴染みの決め台詞――。
「あっしにゃあ関わりのねえこって。」
私はこのMVの存在を、公開直前にテレビのエンタメコーナーで知ったのですが、ラストシーンがどうしても忘れられませんでした。
現在、YouTubeではこのMVのショートバージョンが公開されています。
雰囲気を味わうには十分なのですが、実はこのショート版、終盤でブツッと唐突に終わってしまいます。そう、肝心の戦いの終結や、あの「あっしにゃあ〜」の決め台詞が味わえないのです。
久しぶりに見直して、やっぱり物足りなさを感じた私。「何とかしてあのフルバージョンが観たい!」という気持ちが抑えきれなくなり、意を決して調べてみました。すると、
- Apple Musicなどのサブスクで見られる可能性がある
- ソニーのダウンロードストア「mora(モーラ)」でMV単体を購入できる(550円)
ということが判明。 「ラストが観たい!」という情熱のままに、私はmoraで550円を支払い、フルバージョンのMVを購入しました。
すぐさま再生し、なんと立て続けに3回も観てしまいました(笑)。 やっぱり、最後まで通して観ると最高にいいです!気になる方は、ぜひフルバージョンを探してみてください。購入なら、自分の手元に残すこともできます。
さて、このMVをきっかけに、私の頭の中には一気に当時の「子連れ狼」の記憶が呼び起こされました。
ドラマ「子連れ狼」の主題歌
「子連れ狼」は1973年から1976年にかけて日本テレビ系列で放送されました。私も確かに見ました。ただ、1970年に小学校に入学した私は4年生~6年生。その時期に夜の9時から時代劇を見てはいなかったような気がします。ぼんやりとした記憶ですが、平日の夕方に見たのではないかと思います。この辺は自信がありません。
とにかく印象的だったのは、主題歌の「しとしとぴッちゃんしとぴっちゃん しとぴっちゃん」というフレーズです。これは忘れられませんね。ただ、これはボンカレーのコマーシャルに替え歌で使われていた影響もあるのかも知れません。「三分間待つのだぞ。」というフレーズが、頭に刻まれています。
曲名は「子連れ狼」。歌詞は、原作二十二話「別れ霜」から。この橋幸夫と若草児童合唱団による曲は、1976年『子連れ狼 (萬屋錦之介版)』第3部の主題歌です。つまり、私がよく見たのは、第三部だけだったのかもしれません。
第一部・第二部の主題歌は、「ててご橋」(バーブ佐竹)。「ててごとははごと…」で始まります。歌詞は原作三十三話「一石橋」から。これも、聞いたことはあります。
「子連れ狼」のあらすじなど
大人数と戦う萬屋錦之介の姿は鮮烈でした。
元・公儀介錯人、拝一刀(おがみいっとう)の物語です。
公儀介錯人というのは、架空の役職だそうです。幕府(公儀)から切腹を命じられた大名の介錯を請け負う首切り役人。社会的な身分は高いという設定になっています。拝一刀が担っていましたが、柳生の陰謀により、妻と家来を惨殺されて、地位を奪われてしまいます。
生き残った一子・大五郎を連れて刺客の道を選び、旅していきます。旅の途中には、柳生一族の刺客が次から次へと待ち構えます。拝が使用するのは名刀、胴太貫(どうたぬき)です。刺客として得た報奨金を貯めて最後に柳生と対決します。
ラストシーンの謎の言葉について
最終回は、河原で殿様や家来達の見守る中で烈堂と一刀が対決。死闘の末、一刀は敗れてしまいます。大五郎が折れた胴太貫を父親の手から取り、烈堂の腹に突進、烈堂は避けもせずに腹に刺さった刀と共に大五郎を抱え上げて、「我が孫よ・・・」と言って死んでしまいます。
この最後の「我が孫よ」は、むかしから議論の的になってきたようです。
1)一刀の妻で大五郎の母薊(あざみ)が実は柳生家の出であった。(そのことは烈堂だけが知っていた。)
2)数々の戦いを経て、烈堂の心に、一刀や大五郎に対して血縁以上の感情が芽生えた。
3)大勢の人の目の前で“わが孫よ”と言ってしまえば、大五郎は柳生の一族の生き残りということにもなり、上辺では、かろうじて柳生一族の滅亡は免れる。
私は、この中で言えば2)かなと思いますが、すっきりはしません。
原作の漫画(小池一夫原作・小島剛夕画)を読んでみたいなと思いました。
大人数でも臆せず力強く戦う姿は、かっこよかったですね。鬼気迫るものを感じたこともありました。
早くから外国へ輸出された時代劇とのことです。不朽の名作ですね。







