民間で初ロケット打ち上げ!大樹町が熱い。

民間で初ロケット打ち上げが間近

北海道の南東部に位置する大樹町でまもなく、国内初となる民間企業が単独で開発したロケットが打ち上げられます。当初29日に予定されていましたが、天候や調整の関係で延期されてきました。今日は行けそうです。NHKの朝7時のニュースでもトップニュースでした。
打ち上げるのはベンチャー企業の「インターステラテクノロジズ」。この企画の最大出資者はホリエモンこと、ライブドアの元社長で実業家の堀江貴文氏で、社長の稲川貴大さんは30歳という若さです。人口約5700人の町は沸き立っています。

観測ロケットMOMO

予定されているロケットの名前は「MOMO(モモ)」といいます。全長10メートル、直径約50センチ、燃料を入れた総重量は約1.2トンで、燃料であるエタノールに液体酸素を混合し燃焼させ、大気圏と宇宙空間の境目とされる高度100キロを超える飛行を目指します。予定ではMOMOは打ち上げ後4分ほどで最高高度に到達し、落下を始めそのまま太平洋上に着水するそうです。

「MOMO」の由来は漢字の「百」で、今回のミッションが高度100キロを超えることから名づけられました。「MOMO」の特徴はその製作費の安さです。例えば、今年1月にMOMOとほぼ同じ大きさの観測ロケット「SS5204号機」がJAXA(宇宙航空開発機構)により鹿児島県で打ち上げられましたが、機体の製造と打ち上げ費用の合計が約5億円でした。一方MOMOは「500万円以下でのサービスの提供を考えている」と稲川社長は述べています。実際かかった費用は明らかにされていませんが、ロケットの費用を抑えるため、秋葉原の電気店などで民生品や、ネットオークションで落札した中古の工作機械などを使っています。また、エンジンや機体は自社開発です。稲川社長によると、「フェラーリではなくてスーパーカブのようなイメージのロケット。量産されて使いやすいロケットを提供したい」ということです。

宇宙の町 大樹町!

南東が太平洋に面する開けた土地で気象条件も安定していることから、航空宇宙開発に適した場所とされています。約30年前に北海道東北開発公庫(現・日本政策投資銀行)が「北海道航空宇宙産業基地構想」を発表し、大樹町がいち早く手を挙げ「航空宇宙産業基地」の候補地となり、その後地域一体となり様々な誘致活動が行われてきました。

2013年9月にJAXAが大樹町で、大気球実験の高度世界記録を更新させました、また同年10月、太陽系の小惑星に「Taiki」という名前が付けられ、11月には、商業目的で初の民間ロケット「ポッキーロケット」の打ち上げが成功しています。また、1000メートルの滑走路を有する大樹町多目的航空公園には、大樹航空宇宙実験場があり、大樹町とJAXAとの連携協力拠点となっています。そこでは実験用航空機、実験用ヘリコプタを使った飛行実験や、大気球による宇宙科学実験などが行われています。まさに「宇宙の町」づくりを歩んできた町です。
 

町全体の盛り上がり

大樹町のホームページによると、打ち上げ当日は観覧会場として大樹町多目的航空公園が開放されます。入場料は無料で、駐車場は2000台まで収容可能です。結局、予備日としていた今日、30日の打ち上げということになりましたが、ニュースによると今朝も早い時間からたくさんの人が集まっていました。酒森正人町長が6日に役場でMOMOの打ち上げについて記者会見を行っていますが、「ようやくここまできたというのが率直な思いだ。大樹町がロケット発射場として位置付けられるために、今回の打ち上げは大きな弾みになる」と大きな期待を込めたコメントをしています。

以前なら「宇宙」や「ロケット」という言葉は、どこか遠い世界の話だったように思えたのですが、急に身近に感じられました。宇宙にビジネスチャンスを見出し、できるだけコストを抑えたベンチャー企業の今後に注目していきたいと思います。

NHKでも、このロケットが国内の宇宙ビジネス発展の起点となるだろうとしていました。そして、「人工流れ星」や「宇宙葬」を企画しているベンチャー企業があることを紹介していました。具体的に動き出していきそうです。その聖地が、北海道の大樹町になるというのは、道民としても誇らしいことです。発射成功を願うばかりです。