建国記念の日の由来と思い出

今年の建国記念の日は土曜日でした。多くの学生が「振替休日はないのか」と落胆したことでしょう。
普段から土・日曜日がお休みの職業人も、三連休になり損ねたことを残念に思っていたと思います。

二月は祝日が他にないので、貴重な建国記念の日ではあります。
これは、2月11日に強い意味があるので、ハッピーマンデーの対象にはならないようですね。

建国記念の日の由来

・2月11日は戦前は「紀元節」と呼ばれた祝日でした。
 2月11日は、古事記や日本書紀で初代天皇とされる神武天皇の即位日を新暦に換算した日付です。
 (神武天皇は、実在したかどうかはっきりわからないようですね。神話の世界です。)
・紀元節は昭和23年、アメリカの意向で廃止になりました。

・昭和32年ごろから、国会で紀元節復活の動きがあったそうですが、紀元節という言葉は使わず「建国記念日」としました。
・その後、何度も審議されながら廃案になります。
・昭和41年「建国記念の日」として制定され、昭和42年2月11日から祝日となりました。
 建国記念日ではなく、”建国記念「の」日”というように、「の」を入れることで、“建国されたという事象そのものを記念する日”であるとも解釈できるようにした結果、時の野党、社会党も折れたということです。
 このときにこの祝日の日付は「建国記念日審議会」で決めるということになり、アンケートなどを実施。アンケートで一番多かったのは2月11日。
 答申は「2月11日」となり、それを受けて、2月11日になったそうです。結果的に紀元節と同じということになりました。

つまり、、、、日本では、「建国記念日」というものは正式には存在しなかったということなんですね!

他の国の建国記念日

何をもって建国の日とするかは国によって違っています。

アメリカは、7月4日 独立記念日(Independence Day)がそれにあたるでしょう。
(1776年大陸会議でアメリカ独立宣言に署名がされた日)

イギリスは法律で定められた「建国記念日」(祝日)がない国だそうです。

他の国の建国記念日については→(参考)Wikipedia「建国記念日」のページ

「建国記念日」の想い出、K先生の事

私が小学生のころは、世の中の多くの人が2月11日を「建国記念日」と呼んでいたいと記憶しています。
いつのころからか、「建国記念の日」が正しいのだなとわかり、自分もそう言うようになりました。

恥ずかしながら、どこかで、呼び方が変わったものだと思っていました。
しかし、建国記念の日の由来は上のようなことで、日本では「建国記念日」というものが存在したことはなかったんですね。
今回、初めて知りました。目から鱗です。

2月11日ということ思い出すことがあります。

小学校三年生か四年生の時の2月11日の夕方のテレビニュース。
「建国記念日反対」の集会について、報じられていました。
それを見て、なぜ反対する人がいるのか、とても不思議に思った私は次の日、学校で担任のK先生に尋ねました。
K先生は元気の良い女の先生です。とても誠実に答えてくれました。言葉自体は忘れてしまいましたが、
「2月11日を国の誕生日と考えることに反対している人がいるということ。2月11日は天皇による支配がはじまった日と考えられていて、それを国の誕生というべきではないという考え方があるんだよ。」という趣旨のことを話してくれたと思います。

K先生は、リベラルな考え方を持った、立派な人でした。
弱いものに寄り添ってくれる人でした。何年たっても忘れられない人です。
残念ながら、先日亡くなったという知らせを聞きました。葬儀に駆けつけることはできなかったのが心残りですが、「無理してこなくてもいいよ」と言ってくれているような気もしました。

心からご冥福をお祈りします。