夫婦円満の秘訣、NHKスペシャル・脳科学から

NHKスペシャル 「ニッポンの家族が非常事態!?」シリーズの第2集が6月11日(日)に放送されました。「妻が夫にキレる本当のワケ」というタイトル。夫婦関係にスポットを当てていました。副題には、”最新科学で迫る”とついています。脳科学者、進化の専門家、ホルモンの専門家も登場。興味深く見ました。どうしたら夫婦の仲が改善できるのか。夫婦円満の秘訣について、学んだことをまとめておきます。

番組で紹介された「すれ違い夫婦」

番組では、3組の夫婦が紹介されていました。
1、「共感」を求める妻・「共感」できない夫・・・佐々木さん夫妻
2、「ネガティブな記憶」が鮮明な妻・アバウトな夫・・・今井さん夫妻
3、戦士の(男性)ホルモン「テストステロン」の値が逆転した石井さん夫妻

3の石井さん夫妻の場合は、テストステロン値の結果を知って、妻の洋子さんが「私がもうちょっと寄り添うことが必要なのかなと思いました。主人がというより。まずは、話をちゃんと聞く。音じゃなくて言葉として聞く。」と、決意していました。それだけでも、随分と変わってくるだろうなと思いました。

社会の中でリーダーになっている人はテストステロンの値が高いそうです。やる気を出してくれる大事なホルモンですね。テストステロンが減少していくことで、男性の更年期障害が起きることもわかっています。
(参考)戦士のホルモン=テストステロン減少は男性の更年期障害を引き起こすことも

ただ、テストステロンは女性が得意だったはずの共感力や相手を思いやる気持ちを低下させる作業があるとみられているそうです。「子どもとか、家庭に対する感受性、思いやりが減ってくる」と専門家は説明していました。
また、テストステロンがお高い状態が続くと、愛情ホルモンのオキシトシンは下がってくるという説明もありました。

夫婦円満の鍵は、愛情ホルモン「オキシトシン」

上記1の佐々木さん夫妻、2の今井さん夫妻の場合には、「男女の脳の違い」がすれ違いの理由だったようです。その違いを理解し、それを乗り越える小さな努力をすることで、夫婦円満になれるという趣旨でした。

そこに作用するのが、愛情ホルモン「オキシトシン」
オキシトシンは脳内で分泌されることで人に愛情を感じる、いわば、愛情ホルモン。脳の報酬系と呼ばれる場所(側坐核など 快感の中枢)に作用して、その人と一緒にいたいという気持ちを起こさせます。

もともとは、出産や授乳を促すために分泌すされ、母と子のきずなを深める役割をに担っていました。ところが進化の過程で、夫婦のきずなを強める愛情ホルモンの役割も担うようになったと考えられています。
この辺も、面白いところですね。

突き詰めれば、、、
脳の違いはなくならないけれども、お互いが「オキシトシン」をたくさん分泌させれば相手のことを思いやることが出来るようになるということだとkojiは理解しました。

オキシトシンを増やすポイント

番組後半は、努力次第でオキシトシンの分泌を増やす方法があるということでした。
愛情ホルモン「オキシトシン」の研究者、ポール・ザック博士が来日して、1の佐々木さん夫妻、2の今井さん夫妻に会い、直接レクチャーをしてくれることになったのです。

ザック博士「これまで積み重ねてきた研究成果が、すれ違いに悩むご夫婦の助けになることは科学者としてとても嬉しいことですよね。」

—佐々木奈津美さん、慧介さん夫妻へのレクチャー—

奈津美「この人は結局何も理解してくれないとか、私が何を言っても気持ちをわかろうとしてくれない。」
自分の悩みに共感してくれない慧介さんに、奈津美さんはイライラを募らせていました。

ザック博士が開発した装置を付け、(オキシトシンの推計値を算出する装置)普段通りの会話をしてもらいます。
実は、オキシトシンが分泌されると心臓の動きが微妙に変化することがわかっています。手首の脈などからその動きを感知し、オキシトシンの分泌量を推計するといいます。

モニターを通してその様子を見ていたザック博士がアドバイス。

ザック博士「奈津美さんは、話をするとき慧介さんからからだを遠ざけたり、違う方向を見たりしています。慧介さんも視線が定まっていません。」
ザック博士はお互いに向かい合い、手をつないで話して欲しいと伝えました。それを実行してみたら、ザック博士のアドバイスによって、奈津美さんはおよそ2倍。慧介さんも1,5倍数値が上昇しました。

オキシトシンを増やすポイントは、相手が自分に向きなんだそうです合ってることを実感すること。
そのために見つめ合い、スキンシップをとることが効果的。

慧介「多分肯定的な気持ちが少し上がっていって、ギスギスした会話にならないというか。やわらかい感じになった気がします。」

●オキシトシンを増やすポイント①
「見つめ合い、スキンシップをとること」

ザック博士は、2人で料理することを勧めました。ある目標に向かって2人で協力して作業することもオキシトシンの分泌を促すことがわかっています。
●オキシトシンを増やすポイント②
「目標に向かって二人で協力する」

時間制限など、軽いストレスを共有すると効果がさらにアップします。

ザック博士 「これを続ければ、もっと素晴らしい夫婦になれると思います。完璧な夫婦などいません。でも今回の事件は、2人の結びつきが強いことを証明しています。」

奈津美「どっちかがかまんすることでしか回避できないというか。まあそういうもんなのかな夫婦なんてと思ってましたが、そういうんじゃなくて楽しくハッピーな感じで、その関係性って今日見てなことを続けることで、変わるんじゃないかなって。ちょっと希望が。」

—今井さん夫妻へのレクチャ—

過去のネガティブな記憶から、苛立ちを募らせていた今井美千代さんと、夫の隆也さん。
ザック博士は、2人にきれいなレストランで食事をすることを勧めました。

最初は、険悪な雰囲気でしたが、、、

ザック博士は、夫の隆也さんに一つの提案をしました。それはサプライズの手紙と花束を贈ることです。

●オキシトシンを増やすポイント③
「サプライズの贈り物」

隆也「すべての家庭内の家事を美千代さんに頼りっ放しで、本当に大変な思いをさせてきたと今更ながら反省しております。

このとき、隆也さんのグラフに確かな変化が表れていました。プレゼントを持って部屋に入る直前、そして、手紙を朗読してる時に値がはっきりと上がっていたのです。

ザック博士「これまで支えてくれてありがとうという感謝の気持ちを奥さんに表現することが大切なんです。」

今回初めて美千代さんに手紙を書いた隆也さん、大事な発見がありました。
隆也「日常の生活で2人がハッピーになっていくには、自分自身の努力が必要だということが印象的でした。そういうことを考えたり意識したりということの大事さがよくわかりました。」

一方、美千代さんのグラフでは、隆也さんほど上がっていませんでした。ザック博士は、喜びより驚きが強すぎてオキシトシンが分泌されなかった可能性があると分析しました。

美千代「本当にお花なんてもらったの何年ぶりだろうかと思ったし、まして手紙を書いてたんだって。あまり恨みつらみを言わないように、少し大事にしてあげないといけないかなと。」

美千代さんにも気持ちの変化はあったようです。

番組のまとめ

私たちが特定のパートナーと夫婦になることを選んだのは、人類の長い歴史の中でもつい最近のこと。その過程で、お互いの愛情を深めるシステムを獲得しました。しかしそれは、ほうっておいては機能せず、努力しない限り働かない仕組み。夫婦とはそういう存在なのです。

レッド吉田 「恋愛の最初の頃と一緒ですね。この子のために一生懸命頑張ろうという。それを夫婦で長年連れ添っていると忘れてしまうんでしょうね。」

大島美幸 「向き合って、手を握って、おしゃべりをして、とか、料理を一緒にする。なんて簡単なことだろうと思いました。」

中村克樹教授(京都大学霊長類研究所)
「今の世の中は女性の負担が増えていることを男性が認識する、もう一つは、男と女は違うので、同じことを求められてもなかなかできない。あとは、私もスキンシップをとってオキシトシンを増やしたい。」

ちなみに、鼻から注入するオキシトシンは医薬品なので国内では、病気の方以外は使えないそうです。

まとめの菊水健史教授(麻布大学獣医学部/ホルモン・生物進化の専門家)語録

「(オキシトシンは)対面した方が沢山出るんですけど、対面しなくても相手が思ってくれてるとか、見てくれているということがわかるだけでも、反応してきます。」
「オキシトシンは自分自身が自分自身を刺激するようになって、ポジティブループみたいにクルクル回る。オキシトシンの分泌を促す行動繰り返すことでますます分泌しやすいから大変化する。」
「自分が少し変わると、オキシトシンの分泌を変えることができて、それによってもう1回夫婦の間の維持装置が動き始める。」
「自分の行動から変えてくださいということですね。」
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自分から一歩踏み出す! 当たり前だけどこれが結論です。

kojiは思った

・男女の脳の違い
・一夫一妻制になった経緯とその影響
この二つが特に興味深かったです。このことについては、出来れば、別な記事にして掘り下げたいと思います。

芸能人がスタジオでコメントを述べたり、質問したり。
なかなか落ち着いていて、良かったなと思います。特に恵敏彰は、進行役も務めていましたが、やっぱりうまいなと思いました。

昔から、「尻に敷かれる」という言葉はありましたが、最近はなんだか余裕のない感じがします。「キレる妻」とか「おびえる夫」という関係。それはお互いの不幸せ。時には、子どもの心にも影を落とすと思います。

脳科学という言葉が身近になってきました。上手に活用していきたいものです。思い切って手を握るという勇気も必要かなと思いました。kojiも随分と妻の手を握っていないような気がします。勇気を出したと思っているkojiでした。