キュボロ-藤井四段が親しんでいたおもちゃ NHKも紹介

藤井四段が遊んだおもちゃ「キュボロ」

将棋を知らない人も「藤井四段」という言葉は知っているくらい今や時の人、藤井聡太君。史上5人目の中学生棋士として、プロの公式戦29連勝という大記録を樹立しました。その藤井君が幼少時に遊んでいたおもちゃが話題です。「cuboro / クボロ(キュボロ)」というスイス製の木製知育玩具なのですが、藤井君が幼少時に遊んでいたことで話題になり、予約が殺到しすぎて予約受付を一時停止にしたほどです。(6月30日21時から予約受付再開)日本中の親の熱い視線を集めているキュボロとはどんな玩具なのでしょうか。

キュボロって何?

キュボロとは、スイスの「キュボロ社」が販売している立体パズルです。パーツとなる積木を自在に組み合わせ、玉の道を作ってビー玉を転がしてゴールへ運びます。積木にはそれぞれ溝や穴があり、それを使ってビー玉を転がしますが、積木の数が多ければ多いほど複雑なものが作れます。キュボロの特徴は、積木内部にも穴があり「見えないトンネルのコース」を作ることができるということ。

溝の部分は基本的に傾斜がなく平行なので、定期的に穴の開いている積木をセットしないと、ビー玉は途中で止まってしまいます。ただ転がす道を作るのではなく、スピードの維持や玉の落とすタイミングなど、いろいろ考えるポイントの多い玩具と言えます、シンプルな作りゆえに、組み合わせは無限で大人でも楽しめるそうです。大阪万博のスイス館でも展示されていたとのことでした。

キュボロの広がり

人気の火付け役はNHK名古屋放送局の「ナビゲーション」という番組です。1月6日に放送されたもので、「直観の一手 史上最年少プロ棋士・藤井聡太」という特集の中で直観を鍛えたパズルとして紹介されました。この内容は、16日のクローズアップ現代「最年少VS最年長~”天才少年棋士鮮烈デビュー”」という番組でも取りあげられました。番組では、理化学研究所による実験によって「積木と詰将棋は脳の同じところを活性化する」ことが明らかにされ、藤井君の脳はキュボロでの遊びを通じて鍛えられたとしています。藤井君は3歳位の頃から何箱ものキュボロを遊びこなしていたそうです。

キュボロの入門編

キュボロはまだ早いかも…という子供向けに、入門編として同じキュボロ社から販売されている「クゴリーノ」という玩具があります。木製の立体パズルを組み合わせて玉を転がして遊ぶのはキュボロと同じですが、高さがキュボロの半分なので表面に道が見えるようにできています。また、溝が長い積木も入っているので玉が転がりやすくなっています。色つきの積木も入っているなど、幼児でも種類が区別できるような工夫がされており、対象は3歳以上になっています。

また、「クゴリーノポップセット」というちょっと変わった玩具も2006年に販売されました。これは、積木に黒いゴムがはめ込まれている積木が3つ入っていて、ゴムのところにビー玉が落ちると玉が飛び跳ねます。上手にセットできると、ホップ・ステップ・ジャンプと三段跳びができるそうです。

キュボロにしろ何にしろ、執着しない方がいい

キュボロ社代表のエッター氏は、心身に障害のある子どもたちと関わるソーシャルワーカーのトレーニングを受けた方です。子供たちの好奇心を刺激するゲーム性を兼ね備えたパズル制作を試行錯誤し、「キュボロ」を生み出したそうです。
キュボロは専門家が言うまでもなく、空間認識能力や集中力、創造力が養われる優れた知育玩具であると思います。また、積木には、環境に配慮して生産されたスイスの天然ブナ材が使用されており、高く評価されているのもうなずけます。

ただ、親の心子知らず! あなたの子どもがキュボロを面白がるかどうかはわかりません。それほど熱中しない子供も多いのではないかと思います。やってみなければわかりません。無駄のないおもちゃの与え方を考えると、いいことはないのではないでしょうか。自分の子どもの特徴や嗜好を考えて、おもちゃを選んでも外れることは多いのと思います。ハズレを怖がっていては、ギスギスしてしまいますね。

「もし、あまり遊ばないようなら、リサイクルショップに持ち込む」という覚悟を持っておくのがいいだろうなと思います。