Yahooニュースで知りましたが、歌手でタレントの研ナオコが梅沢富美男との舞台公演中に転倒して、大腿骨頸部を骨折したそうです。3月21日の山梨県甲府市でのこと。公演中、ステージに設置された畳の上で足を滑らせ転倒。腰を強打し、動けない状態になったところ、梅沢が芝居の流れの中で抱きかかえて舞台袖まで運んだとのこと。(梅沢富美男は最近、プレバトで見ることが多いですが、素晴らしい対応をしたようですね。想像してみるに、かなりカッコいいです。)公演は、研ナオコ抜きで続行。梅沢富美男がアドリブ等を交えて最後まで進めたようです。さすがプロ!

さて、研ナオコは病院で「右大腿骨頸部(けいぶ)骨折」と診断されました。これは、長期の療養が必要となりそうです。4月15日(土)には函館市民会館での公演も予定されていましたが、どうなるのかはまだわかりませんね。
梅沢富美男&研ナオコ「アッ!とおどろく『夢芝居』」
研ナオコ不在、あるいは代役で行われるのか?中止になるのか? 発表までにはまだ、時間がかかりそうです。

大腿骨骨折といっても、”ふともも”部分の骨折ではないことを知ってました?

ところで、大腿骨ってどこの骨でしょうか?太もものの骨ですね。長くて太い骨。kojiは「高齢者が大腿骨を骨折し、寝たきりになる」ということを聞いたときに、その長くて太い骨が太もも部分でぽっきり折れてしまうことだと思っていました。「それはそれは大変なこと。再起は難しいのかな」と思いました。また、「高齢になると、それほど骨はもろくなるのか」とも思いました。

実は、違ったんですね。恥ずかしながら。
数年前、80歳を超える親戚の女性がまさに、「大腿骨頸部を骨折」しました。その時にいろいろと関わって初めて、事の真相を知りました。高齢になったとはいえ、大腿骨の太い部分はそう簡単に折れるものではないようです。大腿骨の骨折の多くは、「頸部」の骨折。股関節に納まる部分の突起状の部分の骨折なのでした。大腿骨頸部は、大腿骨の中で極端に強度が弱いところです。

大腿骨頸部骨折の治療

大腿骨頸部の骨折だと、ほとんどの場合手術が必要だと思われます。大きく分けて(1)人工骨頭置換術、(2)骨接合術 の二通りの手術があります。(下記を参考にしました。)

大腿骨近位部骨折とその手術

親戚の場合は、人工骨頭にしました。突起状の部分(骨頭)を切り取って人工の骨頭をつける手術です。先の部分まで割れているので、ボルトなどではきちんと接合できないからということでした。その経過は次のようなものです。

・緊急入院→手術→術後ケア・・・2週間くらい~
~ベッドの上でのリハビリ開始
・転倒から3週間後・・・リハビリのため転院(車椅子)
・リハビリ中心の入院生活・・・2か月半。
(車椅子→歩行器→杖→杖無し歩行)

治療中や治療後に気を付けたいこと

経過は非常に順調でした。手術直後は、「これからはが必須です」と医師から告げられました。その後も「余裕があると思っても、人工の関節なのだから、それを守るためにも杖をつくようにしなさい」と言われていました。しかし、リハビリがさらに進んでいくと、杖は使った方がいいけれど必須ではなくなりました。

転倒しないように細心の注意を

ただ、再び転倒するのは何としても避けなければなりません。転倒は脱臼や再度の骨折に直結します。人工骨頭にした人が脱臼する例が多いそうです。とても痛いし、手術が必要な場合もあるということでした。看護師さんにも「かなり痛いよ!」と脅かされました。

認知症か?と心配になることがありました

骨折前は、一人暮らしでシャキッとしていた人ですが、入院後は物忘れが激しくなりました。また、同じことを何度も何度も話しするようになりました。大きな変化です。自分がいつ頃入院したのかなどはわからないこともありました。なぜ入院しているのかさえ、自信なさげな時もあったようです。医師や看護師さんに尋ねてみると、「それは一時的なもので、退院し日常生活に戻れば改善することがほとんど。」ということでした。

それまで何十年も行ってきた家事をしなくなって、毎日リハビリ以外することもない生活では、脳がなまけてしまうのかなと思います。寝たきりにならなくてとてもよかったのですが、頭を使う状況を作るのもとても大事なことだろうなと思いました。

住み替えについて

それまで、一人ぐらしが出来てきたとしても、大腿骨頸部骨折は、今後の暮らし方を考える大きなきっかけになると思います。

親戚は、アパートで一人暮らしをしていましたが、そこには段差が何か所かありました。骨折直後から、もうそこへは戻れないと覚悟したようで、入院中に住み替えを決めました。とてもいい決断だったと思います。

骨折したのが、食材の買い物からの帰り道だったこともあり、食事を自分で作ることはやめることにしました。それ以外は、出来るだけ自分でできることをしていきたいということで、高齢者下宿に入りました。

その後、日常生活を取り戻し、お友達との行き来も再開できて元気に過ごしています。記憶力や判断力もほぼ、以前の状態に戻りました。年齢が年齢ですから、物忘れはありますが、入院中に心配したような病的な感じはありません。よかったです。

高齢になってからの住み替えはリスクも伴いますが、身体や心・家族の状況の変化に合わせて、住むところ(施設)を変えていくというライフスタイルもいいなと思います。住み替えに対応できるような自分でありたいなと思いました。まずは、ものをため込まないということが大事かもしれません。