2016年11月30日放送のWBS。「治る!最前線」第65回が放送されました。このシリーズは「治る!」と断言されていてとても心強く、見ていて明るい気持ちになるので、大好きです。録画して保存しています。今後も、その内容を整理して、更に付け足すことができれば付け足して紹介していきたいと思います。

第65回は、「糖尿病網膜症の最新治療」です。
「糖尿病」と聞くと、(糖がついているにもかかわらず)苦い感じがします。身の回りにも、この病気と付き合っている人がいて、他人事ではありません。
重篤化すると、失明や手足の切断の恐れまであるということなどを聞くにつけ、恐ろしさを感じてきました。

「治る!最前線」第65回を見て、糖尿病が目にダメージを与える恐ろしさと同時に、いい治療が生まれてきていることがわかりました。

「糖尿病網膜症」について

「糖尿病網膜症」の原因は糖尿病

・糖尿病になると網膜の血管がボロボロに・・・下に「付け足し情報」
・すると網膜に血液が流れにくくなり、
・酸素や栄養不足を補おうと細い血管が無数に作られる。
・この血管は非常に脆(もろ)いため、すぐに出血してしまう
・出血した血液は薄い膜のようなかさぶたになり、網膜の上で徐々に収縮しながら固まっていく
・すると膜が固まっていく際に網膜も一緒に引っ張って網膜剥離を起こして失明してしまう

糖尿病網膜症が進行すると

・白く霧がかかったように見えたり、小さなゴミが飛ぶように見えたりします。

糖尿病網膜症の患者数は現在、約300万人。
10年ほどかけてジワジワと進行し年間、約3,000人が失明しています。

東京慈恵医科大学附属病院の眼科、渡邉郎准教授
「初期の糖尿病網膜症は自覚症状がほとんどない。」
「糖尿病網膜症」は気付かない内に失明に至る恐ろしい病です。

「糖尿病網膜症」の治療

負担が少ない糖尿病網膜症の治療が登場しています。
おおしま眼科クリニックでの治療の様子が紹介されていました。

硝子体カッター呼ばれる最新の治療器による治療

硝子体カッターは直径わすが0.4ミリの細い針のような器具。先端には小さな穴が空いています。
硝子体カッターを目に挿入。細い針のような部分は管のようになっていて、先端の小さな穴から網膜から出血した血液を吸い取ることができます。

治療はまず出血して目に広がった血液を吸い取ります。そして網膜に広がったかさぶたのような膜を取り除きます。最後に出血していた細い血管の周りにレーザーを照射し、再発しないようにします。

レーザーを約400発、出血を起こした網膜全体に照射していきます。

手術時間は30分ほどです。傷口が小さいため、日帰りで治療ができます。

治療費は保険が適応され約15~20万円です(3割負担)。

治療を受けた人のコメント

「明るく見えるようになってうれしい。」

おおしま眼科クリニック 大島佑介院長
「患者さんの負担やストレスが少ない、クオリティーの高い手術ができるようになった。」

「糖尿病網膜症」の早期発見

57歳の女性は、20年ほど前から糖尿病の治療を行っています。最近、視界に白い霧がかかったように見え始めたため検査を受けに来ました。
東京慈恵会医科大学附属病院での検査、治療の様子が紹介されていました。

広角眼底撮影装置という最新の機械による検査

・まず血液に集まる性質がある薬を腕から注射します。
・そして検査装置で患者さんの網膜を撮影していきます。
・すると網膜の一部が白く光って映し出されました。
 この白い部分は細い血管が新しいできた部分。血液が多いため薬がたくさん集まっています。

この検査によって、病気の早期発見が可能になりました。

「放置すると悪くなるので、すぐに治療を始めた方がよい。」との医師の判断でした。幸い進行していなかったため、手術をせずに治療できることになりました。

患者さんのコメント
「痛みがないと病院に行こうと思わない。」

マルチカラーレーザーという最新の装置による治療

今回、行うのはレーザー光凝固治療。目の外から網膜にレーザーを照射し、出血を止めるとともに新しい血管ができないようにします。

・レーザーを網膜全体に照射します。
・1回の治療は約10分間。4回ほどに分けて約2,000発のレーザーで焼いていきます。

治療費は保険が適応され片目で約5万円(3割負担)です。

東京慈恵医科大学附属病院の眼科 渡邉郎准教授
「早期の段階で糖尿病網膜症を見つけ、しっかり管理することが大事。」

失明を引き起こす恐ろしい糖尿病網膜症。糖尿病と診断されたら必ず眼科を受診することが必要だといいます。

付け足し情報

「糖尿病になると網膜の血管がボロボロになる」について

糖尿病について説明されているものを見ても、「高血糖が血管を傷つけるしくみ」をわかりやすく教えてくれるものはあまり見つけられませんでした。
(実はよく解明されていないという記述も目にしました。)

活性酸素という言葉を使っていた記事を一つあげておきます。
Q04 高血糖はなぜ怖いの?から引用。
「高血糖が動脈硬化につながるのは、糖が血管の内側を傷つける原因となる活性酸素の発生を促すからです。傷ついた血管の内膜の中にコレステロールなどがたまり、血管壁が厚く硬くなることで、動脈硬化が進んでいきます。」

高血糖が血管に与える影響の説明で多かったのは、
高血糖→「AGE」(終末糖化産物)→血管へのダメージ

これが主流になってきているように感じましたが、細部については、説明に違いがみられました。結局、「よくわかった」といえるものはありませんでした。

たくさんのサイトを見て回りましたが、ドクターが直接書かれている下記サイトは参考になりました。ちょっと難しいですが、興味深かったです。
ドクター江部の糖尿病徒然日記「糖質制限食とAGEs」

人の体や、病気についてまだはっきりしないことはあるんだなと改めて感じました。