「お父さん、絵本読んで!」とせがまれたことは遠い昔のことになってしまいました。
最近、友人と話していて、絵本談義になりました。友人は、「世の忙しいお父さんたちにとって、絵本は手軽かつ、子供たちと密な関係を作れる極上のコミュニケーションツールです。」と、熱く語っていました。また「教育的効果も大きい優れもの。」とも。
触発されて、最近の絵本事情を調べてみました。

一番勢いのある絵本作家ヨシタケシンスケさん

全国の絵本専門店や書店の児童書売り場担当者が選ぶ絵本ランキングで、2016年最も支持を集め「MOE絵本屋さん大賞」に輝いたのは、『もう ぬげない』という絵本。

著者は、ヨシタケシンスケさん。1973年生まれで、神奈川県茅ヶ崎市出身です。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コースを修了後、イラストレーターとして活躍して児童書の挿絵、装画などを手掛けました。ちなみに、第2位に輝いた『このあと どうしちゃおう』もヨシタケさんの作品で、1位2位のダブル受賞でした。

遅咲きのヨシタケさん

ヨシタケさんが初めて描いた絵本が『りんごかもしれない』という作品で、これが2013年の第6回MOE絵本屋さん大賞第1位で、第61回産経児童出版文化賞美術賞なども受賞しました。この時ヨシタケさん40歳。不惑の新人デビューです。

その2年後に出た『りゆうがあります』という作品でもMOE絵本屋さん大賞を受賞し、そして昨年、さっき書いたとおり『もう ぬげない』も大賞を受賞したわけです。ヨシタケさんは、ここ数年でヒット作品を連発している絵本作家です。

発想絵本シリーズ

ヨシタケさんの絵本は、「発想絵本」と呼ばれています。物語があるわけではなく、ただひたすら主人公の子どもの中で妄想が膨らみ続けます。

デビュー作『りんごかもしれない』では、男の子がテーブルにリンゴを見つけます。食べたいと思う反面、これは本当にりんごだろうか?と考え始めます。本当はさくらんぼかもしれない、リンゴ型メカかもしれない、心があるのかもしれない、兄弟がいるのかもしれない、宇宙から落ちてきた小さな星なのかもしれない・・・。

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無限に広がっていく想像の世界。これが、子どもだけでなく大人の心をがっしり掴んだようです。

名作の続きシリーズ!

新人のヨシタケさんが一押しですが、かこさとしさんの「つづきシリーズ」もいいです。

かこさとしさんの絵本といえば『カラスのパン屋さん』、『どろぼうがっこう』、『にんじんばたけのパピプペポ』、『おたまじゃくの101ちゃん』。
40年以上読み継がれて来ました。絵を見れば懐かしい感じがします。はっきり覚えてはいませんが、読んだことがあるかもしれません。

2013年に、かこさとしさんが、これらの続編を出しています。

『カラスのパン屋さん』に出てきた4羽のカラス、チョコちゃん、リンゴちゃん、レモンちゃん、オモチちゃんはそれぞれ大人になって自分の店を開きます・・・。
ということで、『からすのおかしやさん』、『からすのやおやさん』、『からすのてんぷらやさん』、『からすのそばやさん』

孫のために絵本コーナーを回るというのもいいなあ、と思いました。今のところ、気配は全くありませんが。
特に目的がなくても、絵本を手に取ってみると、ほのぼのとすると思います。
時間のある時には、本屋の絵本コーナーに足を向けてみるのも一興ではないでしょうか。