カフェイン中毒患者急増中!(朝日新聞デジタル)

2017年6月12日の朝日新聞デジタルは、カフェイン中毒の危険性を訴えていました。
カフェイン中毒、5年で101人搬送 若者中心に乱用?
カフェインによる中毒症状で、2011年度から5年間に少なくとも100人以上が病院に運ばれ、そのうち3人が亡くなられているとのこと。

カフェイン中毒になった人のカフェインの主な摂取方法は、次の2つ。
・「エナジードリンク」
・眠気防止薬

この2つとも、手軽に購入できます。
専門家は「カフェインの取り過ぎで重篤な状態になることが十分認識されていない。」と指摘しています。カフェインを大量に含んだものに対しても歯止めがないことが、問題のようです。

カフェインは毒か?

ココアにも入っているカフェインですが、取りすぎれば毒になるということを認識すべきです。どんなものでも摂り過ぎは推奨されませんが、カフェインの場合は、はっきりと【摂りすぎ禁止】としなければならないもののようです。

カフェイン中毒の症状(急性)

カフェインを短時間に大量摂取するることで、起こる中毒症状
・精神的に不安定になる
・幻覚・幻聴
・攻撃的になる
・消化器系の痛みや吐き気、嘔吐
・不整脈や新筋収縮

2015年12月のカフェイン中毒死

2015年に急性中毒で亡くなった20代の男性は、深夜勤務についていたためエナジードリンクとカフェイン製剤を一緒に飲んでいたそうです。当時の報道を読み返しても、実際にどのくらいのカフェインを摂取したのかははっきりとわからないようです。
ただ、1年以上眠気覚ましのエナジードリンクを飲んでいたことと、亡くなった時には胃の中にカフェインの粉末があったということがわかっています。

2016年12月のカフェイン中毒死

岐阜県垂井町の山の上で35歳の男性が「急性カフェイン中毒」で死亡。眠気覚ましのために、カフェインの錠剤を大量に飲んでしまったことが原因らしいとのことでした。

どれほど摂ると毒になるのか?

いろいろな基準があるようです。致死量は3グラムという説もありますが、日本人を対象としたはっきりとした数字は出ていません。

一つの参考として、朝日デジタルの記事を挙げておきます。
朝日デジタル カフェインの摂りすぎ、気になる?
ここでは、成人男性で1日400ミリグラムを悪影響の出ない、安全ラインとしています。

●400ミリグラム●
・コーヒーだと約660ミリリットル → 普通のコーヒーカップなら4杯ほど。
・紅茶だと約1330ミリリットル → 普通のカップなら9杯ほど。
・エナジードリンクや眠気防止薬なら、すぐに超えてしまいます。

(カフェインの感受性は人によってだいぶ違うので、400ミリグラムを超えても、全然大丈夫な人もいると思います。)

(参考)飲み物に含まれるカフェイン

食品中のカフェインの量や、各国のカフェインについての見解などが紹介されています。
カフェインの過剰摂取について(農水省)
上記によると、
<飲み物100ミリリットル当たり>
コーヒー・・・60ミリグラム
紅茶・・・30ミリグラム
煎茶・ほうじ茶・ウーロン茶・・・20ミリグラム
エナジードリンク・・・32~300ミリグラム

アルコールとカフェインを一緒に摂るのはやめたほうがいい!

カフェインがアルコールの酔いをさましてしまい、自分の限界以上のアルコールを摂取してしまうことが多くなるそうです。そのほかの理由を述べているサイトもありますが、とにかく、「アルコールとカフェインを一緒にとるのは危険!」というのは共通しています。

まとめ

カフェインの眠気覚ましの力は、絶大です。集中力を高める作用・興奮作用もあります。
脂肪を分解する働きもあります。

昔アラブのお坊さんが、カフェイン豊富なコーヒーを、秘密の薬として愛飲していたのにはわけがあるんですね。

ただ、今回見てきたように、カフェインの過剰摂取は危険です。アルコールの過剰摂取が危険なのと同じような意味で危険です。
アルコールよりもたちが悪いのは、眠気覚ましの効用を求める人が多く存在し、一気に大量に摂取できる方法が提供されている点です。
一気にアルコールだけを摂取したいという人はほとんどいないでしょう。人は酔いを味わいたいのです。一気に酔いたいというニーズはあまりないと思います。
カフェインの作用は、覚醒ですから、短時間のうちにその作用を受けたい人は多い。一気に目をさましたいというのは切実な願いです。
エナジードリンクや眠気防止薬は、その目覚まし効果を競い、カフェイン量の競争を行っています。一番の問題点は、そこに規制がないことです。

「カフェイン中毒増加」・・・「コーヒーの飲みすぎは良くない」・・・「コーヒーは悪者」とつながってしまうのは、コーヒー好きのkojiとしては非常に悲しいことです。
コーヒーを飲むということだけで、急性の重篤な中毒症状に至ることはまれです。
コーヒーを普通に味わって飲む分には、問題がないわけです。

コーヒーから抽出されたために、その名がついたカフェイン。しかし、カフェイン中毒(急性)の原因は(ほとんどの場合)コーヒーではないことを、声を大にして言いたいkojiでした。