今日のNHKスペシャルは興味深かったです。「妻が夫にキレる本当のワケ」というタイトル。
男女の脳の働きの違いがあることが一つのポイントでした。また、二つのホルモンについても解説がありました。
・「愛情のホルモン」=オキシトシン
・「戦士のホルモン」=テストステロン
この二つのホルモンのバランスを整えることによって、円満な夫婦となることが出来るだろうということでした。

テストステロンと男性更年期障害

戦士のホルモンンと言われたテストステロン。この言葉は、実は最近気になっていたものでした。男性の更年期障害について調べたときに、その原因として挙げられていたものなのです。
「更年期障害」といえば女性のイメージが強いのですが、男性も更年期障害になります。男性ホルモンの減少が関係しているので、一般的に性欲減退やEDなどを引き起こすだけと考えられがちです。しかし、性的な部分だけでなく、精神にも大きく影響し、やる気の減退やうつ症状の原因にもなるそうです。

更年期障害とは何か。

更年期とは「閉経を挟んだ前後約10年間」のことを指します。もちろん個人差はありますが、日本人女性の閉経は50歳前後と言われていることから、45歳~55歳が更年期と呼ばれています。男性の場合、閉経はありませんが、この年代に男性ホルモンが急激に低下することから、同じように更年期と呼ばれます。

女性の更年期障害

更年期の女性は卵巣機能の低下によって卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)の量が減ります。これが脳の視床下部にある自律神経中枢に影響を及ぼし、心身の不調につながります。これが更年期障害。

男性の更年期障害

男性は、精巣が産生する男性ホルモン=「テストステロン」の量が減ります。これにより、性欲低下、発汗、ほてり、疲労感、うつ状態等の症状が現れます。

実は怖い男性更年期障害

男性更年期障害は、ホルモン低下が原因で女性と同じ年代に起こることからそう呼ばれていますが、現在では後発性腺機能低下症(LHO)と呼ばれるようになってきました。性欲減退やEDなどの性的な症状だけでなく、身体や心にも悪影響を及ぼします。

身体的症状

「ほてり」「発汗」「関節痛」「疲労感」「筋肉低下」「めまい」「不眠」などを引き起こします。テストステロンに筋肉や骨を作る作用があるため、必然的に筋肉量が落ちていき、悪化した場合歩行さえも困難になる人が出てきます

さまざまなリスク

テストステロンの低下は内臓脂肪の増加を招きます。そのためメタボリックシンドロームや高血圧が進む要因となり、心筋梗塞や狭心症のリスクを高めます。加えて、記憶をつかさどる脳の海馬を活性化する働きもあるので、認知症も招きやすくなると言われています。

心的症状

「イライラ」「不安」「やる気がでない」「パニック」などうつ状態によく似た症状が現れます。これは、テストステロンに抗うつ薬と同じような「一酸化窒素」を作り出す効果があるためで、その量が減ることによってイライラ症状が出てしまうためです。

男性更年期障害、予防と対策

男性の場合、女性の閉経にあたる大きなホルモンの変化がなく、ホルモン減少の個人差も大きいため、男性更年期障害を認識しにくいという問題があります。症状が出始めても、単に仕事や加齢による疲れだと見過ごしがちです。症状を自覚したら、まずは病院でホルモン値を調べることがお勧めです。現在の身体の状態を把握しておくことが予防の一歩です。

治療法

一般的な治療法はホルモン注射によるテストステロン補充療法です。しかしテストステロンは加齢だけでなく、大きなストレスや運動不足などによっても減少します。つまり、適度な運動やストレス発散がテストステロン減少の予防にもなるのです。

おじさんは思った

テストステロンは大事な男性ホルモン。この量を維持することは、生き生きと過ごしていくためにとても大事な事のようです。ただ多すぎると、攻撃的・自分本位の言動が多くなるらしい。

先ほどのNHKスペシャルによると、最近このテストステロンの値が高い女性が増えているということでした。夫婦でテストステロンを調べてみた結果、妻の方がテストステロンが多いという場合もありました。妻は、在宅で海外の会社のコンサルティングなどを行っているそうです。バリバリと働いていて、「戦っている」と言ってもいい様子でした。この夫婦の場合、妻がとても偉そうでした。
こんな夫婦だと、夫のテストステロンは渋りがちで、男性更年期障害に陥りやすいのではないでしょうか?

いろいろな要因がある男性更年期障害。夫婦のあり方とも深い関係があるように思います。引き続き、調べていきたいと思っています。